大量発生イベント その15
大量発生イベント その15
コンテストが終わり、俺は──四肢を地に着けて深い嘆息をしていた。
結界を張ってあるので、周りからは気づかけない……最初から中に居たタクマ以外は。
「……で、なんでそんなに落ち込んでいるんだよ」
「ハァ? ……はぁ」
「いやまあ、分かるけどさ。接触まで拒まれるとは、忙しいんだから仕方ないだろうに」
「でも、でもさぁ……!」
コンテスト優勝者は忙しいそうだ。
スライムが出す調味料は、生産部門の優勝者によって加工される……それに関する話し合いなどがあるらしい。
まあ、もうイベントも終盤であるため、スケジュールも詰め詰めなんだとか。
お陰様で面会謝絶、スパイ行為とか取引とかを怪しませないため……こうなったのだ。
「…………ふぅ。まあ、ずっとこんな状態でいても仕方が無いか。とりあえず、他にやるイベントでも観るか」
「おっ、ようやくか。ならほら、アレがあるぞ。たとえば生産職と戦闘職が手を組んで、スライム装備でやる闘技大会とか──」
「何やってるんだタクマ! ほら、さっさとしないとショウの活躍が見れないだろう!」
「……というか、どうしてお前がショウ君の手伝いをしてないんだよ? ああいいや、その顔でなんとなく分かった」
顔? 今の俺は落ち込んでいるのか……これには深いわけがあるので仕方が無い。
「まず大前提の話だが、俺の創るアイテムは自他ともに認めるチートアイテムだ」
「まあ、そうだな……特に『プログレス』とか、何がどうなったら創れるのかさっぱり分からないしな。これまでどんな優秀な奴が解析しようとしても、さっぱりなんだとよ」
「それはご愁傷さまだ。ともあれ、そんなアイテムを世に出すのは危険だしな。マイが派手に応援しないようにと言うのと同じくらいに、あんまり頼んでもいないのに支援するアイテムを作らなくていいって言ったんだよ」
「……マイちゃんは大人だよな。俺があの子ぐらいの年だったら、ゲームのチートアイテムなんて普通に欲しがったのに。まあ、先に無しのデータを集めてからだろうけど」
タクマの趣味はどうでもいいが、実際そう言われてしまったのだ。
ショウもこの考えには賛同していたし、ルリも控えた方がいいと言っていた。
なので俺は、頼まれない限りアイテムの製作はしないことにしている。
……俺としては何でもしてやりたいが、それが家族の望んでいることだからな。
「だからショウが参加しているとして、誰といっしょなのかはさっぱり分からん」
「……へぇ、なら観たときのお楽しみだな」
「おい、お前は知ってるのか?」
「さぁな。ほらほら、さっさと行くぞ」
タクマの隠した生産者も、その場に行けば分かることだ。
仕方ない……今は騙されてでも、そのまま行くとしよう。