第二回家族イベント後篇 その07
第二回家族イベント後篇 その07
──このバトルイベントは、あくまでもお遊戯に過ぎない。
魔物たちは必殺技を封じられているし、子供たちも本気であっても全力では無かった。
ルリもまた、闘いを楽しむための力は使おうとも戦いのための力は使っていない。
現人神の全力だ、星の力を扱えるショウとて勝ち目は無いからな。
≪ルリ選手の短剣が神々しく輝く! 周囲をショウ選手の剣の檻に封鎖されている中、果たしてどのように迎え撃つのか!?≫
《 アズル ルリ 選手の用いた魔法は、“ 神聖武具 ディバインウェポン ”と呼ばれる簡易神器化の魔法の強化版です。旦那様の御創りになられた短剣は、その触媒としてまさにうってつけでしたので》
初期も初期、:DIY:のことをただ万能なスキルとしか思っていなかった頃の作品。
だがそれゆえに、大した制限もせずに自重知らずに創られた逸品でもある。
性能ならば今の方が上、だが純粋に籠められた神気の量のみを考慮すれば……初期作の方が確実に上だった。
ルリが短剣に纏わせた光は、武器の形を取り定着する。
ショウの剣が星剣なら、ルリの持つそれは神剣……そう呼ぶに相応しい輝きだった。
《ところで旦那様、アズル選手の剣技はどれほどの物なのでしょうか?》
≪あ、あー……まあ、観ていれば分かるぞ≫
静寂が場を支配していたが、俺の言葉とほぼ同時にルリが動く。
勢いよく剣を振るう──なんだかふにゃんという効果音がお似合いな動きで。
《これは……》
≪ここから、ここから≫
ショウは剣を合わせ──るのをギリギリのところで止め、とっさに回避。
受け止める者の居なくなった攻撃は、そのまま地面に命中──瞬間、亀裂が走る。
≪クリティカルヒットー。とまあ、このような現象が起きます。ルリ選手自身に剣技の腕はそこまでありませんが、奇跡的に相手が嫌がる動きとなり、奇跡的に致命打となる攻撃になるわけですね≫
《…………これほどとは》
≪防御にもしっかりと働きますからね。奇跡的に相手の攻撃は防げますし、奇跡的に攻撃が外れたりもします。オンゲー、別世界では理すらも超越して勝利し続けました……神々が苦労なさってましたよ≫
神々もとい運営がどれだけアップデートで修正しようと、ルリ関係についてはどうしようもないということで諦めさせられていた。
ジンリのように0%になるまで運が介入する余地を潰せるならともかく、ほんの少しでも可能性があればルリはそれを切り開く。
この世界では、LUCという明確な数値があるからこそさらに厄介さを増している。
……そりゃあ大当たりが設定されているのだから、何度だって出せるよな?