パシフィス技術 中篇
パシフィス技術 中篇
改めて、パシフィス世界で学んできた技術について『SEBAS』と確認中。
直接攻撃に繋がる……なんてものは存在しないし、精度も星の違いで下がっている。
それでも利便性を高めることは間違いないだろうということで、まず自分が使えると考えたモノだけでも確かめていきたい。
「向こうの人たち的には、それが常識だから特段何も言っていなかったけど……まあ、それこそがある意味星の理だよな」
《旦那様が住んでいらっしゃる地球ならば、『魔力がゼロ、あるいは存在を大多数の人々が知覚できない』、といった理があるのかもしれません》
「ハハッ、面白いことを言うな…………えっと、マジで?」
《可能性はゼロではありません。何もないのであれば、どうして魔法などの概念や神話などの存在が知覚されているのか。それらが解明されるまで、未知は未知足り得ると言えるのではないでしょうか》
そういえば、神話に関する話の時も同じようなことを言っていた気が……。
まあ、これは人の夢ではなく星の夢、儚く散ったりしないでほしいな。
「こほんっ、話を戻すとしようか。地球の理が大きく纏めてそれだとしたら、パシフィス世界の理をたとえると──」
《『概念』の抽出、これが理と呼べます》
「『否定』された概念を抽出し、パシフィス世界の住民は存在する。それ以外を拒絶しているわけじゃなく、ただ無くとも問題ない。そういうスタンスなんだろうな」
だからこそ、パシフィス世界も俺を異物と判断しても処理はしなかったのだろう。
昔、アイスプルとは別の星と関りを持っていたなどの情報を、教えてもらっていた。
一度バシビウスたちに覆われ、その証拠はほとんど消え去ってしまったが。
なんと、子供のおもちゃなどに別の星の証が残っていたのだ。
「特殊な金属加工を得意とした星、それはそれで興味があるよな。まあ、それもパシフィス世界の影響下なんだろうけど」
《星は二種類存在します。アイスプルやパシフィス世界のように、星核を持って存在する主星。そして、今回挙げられた金属の星や別の主星にも存在するとされている、副星と呼ばれるものです》
「へー、なら冒険世界にもあるのか?」
《おそらくは。なお、そこに向かうための手段の一つこそ、世界樹が進化した先の一つである『宇宙樹』なのです》
初期の方に語ったが、まさかこんな形で繋がるとは。
うちの『神・世界樹』は宇宙樹も内包した特別な代物だ。
ということは、あるいは……うん、家族で海外旅行ならぬ副星旅行、なんてこともできるのかもしれないな。