職業相談 その20
職業相談 その20
精霊神の取り計らいによって、アイスプルに精霊界から精霊が来るようになった。
そして、精霊神から貰った指輪の中で、俺専用の精霊が孵化しつつあることも知る。
……精霊という単語が、ゲシュタルト崩壊しそうになるぐらい出てきたな。
ともあれ、これで【精霊士】系の職業を更に上へ目指せるようになった。
「どうやら魔物の中にも、精霊との親和性が高い個体も居るみたいだし……うんうん、問題が一つあるとすれば──俺自身に適性が、皆無だったことぐらいだな」
まあ、分かっていたことではある。
かつて風の高位精霊を呼んだ際、それなりの対応をされていた。
いちおう上司である精霊神の命だから頼みは聞いてもらえたが、そのときはかなりの魔力(魔石込み)を持っていかれたからな。
精霊たちと魔物がほのぼのとした時間を過ごす中、一人ぼっちの者……適性が無い俺だけは、精霊たちがいっさい近づいて来ず、侘しい時間を過ごしていた。
「あのときはそれが対価として相応なモノだと思ったけど、まさか身の丈に合わない分を嵩増しで持っていかれているとはな。まあ、支払えば許される分だけ、まだ優しかったということでもあるけど」
無論、精霊神から貰った指輪の力があれば来てくれるし、頼みも聞いてくれる。
だが、残念ながらそれでは【精霊士】としての成長としてカウントされないらしい。
あくまでも、自らの力だけで精霊と触れ合うことが必要なんだとか。
なので、期待すべきは指輪で誕生を待つ俺専用の精霊……いつになることやら。
「条件を満たしたお陰で、そういう情報も分かるようになったな」
《就職条件は、ある種法則が定まっているものや旦那様が認識しているもののみ確認可能なようです》
「今回の場合、【精霊士】についてある程度情報を集めていたからこそ、それを見れるようになっていたわけだな。」
UIに表示される系統樹、そこに記された未開放の職業。
それにタップすると、更に詳細が表示されるのだが……ある数字が表れる。
就職条件とそれに必要な試行数。
EHO内に存在する全人族が求めるであろう情報が、俺の下に集まっていた。
「この情報、確実に売れるな……」
《下級職や中級職であれば、検証を好む者たちがすでに暴いています。ですが、それ以上の職業は謎な部分も多いため、巨万の富を得ることになるでしょう》
「まあ、星経由で情報が開示されているわけだし。誰もまったく知らない、ということでもないんだろうけどな」
星によってはそれを開示したり、あるいはその情報にアクセスできる者が居るだろう。
俺もまた、そんな存在というわけだし……いずれにせよ、参考にはなるよな。
「まあともあれ、これで就くのが簡単な職業の判別もしやすくなったわけだし。これからもどんどん開放していくぞ」
当初の予定だった【精霊士】は……うん、全然無理だけど。
できるものからコツコツと、今回のように誰かに頼ってでも頑張っていこうか。