第一回コラボイベント前篇 その09
第一回コラボイベント前篇 その09
一人(+ホログラムのファンたち)により行われる、アイドルたちの防衛戦。
一曲目の防衛は簡単だったのだが、二曲目からドローンの攻撃が通じづらくなった。
アイドルたちの支援が、機械に及んでいないためだ。
なので、魔物に聞かせれば弱体化するその歌を利用して攻撃を通すつもりでいる。
「スピーカーは、あくまでも持ち込んだ品を使っていたからな。これを、ここの機材の余りを利用して組み込んでいけば──よし、これでいいだろう」
ただ音を聞かせるだけで効果があったのだから、イベント補正付きのアイテムを利用すればさらに効果が通るように。
急ごしらえのドローンが魔物たちの下へ向かい、歌を奏でるアイドルたちの声を彼らに届ける──するとどうだろう、銃弾を弾いていた彼らに弾丸が貫通するようになった。
結果として、第二フェイズもドローンたちによりあっさりと鎮圧。
戦おうとしてくれていたファンたちも、再びライブ会場での応援に戻っていった。
「とはいえ、三曲目になれば結局さっきの繰り返しだからな……機材はもうどうにもならないから、やり方を考えなければ」
そうしてアイデアを練り、準備を終える頃には二曲目も終了していた。
三曲目のタイトルを告げ、音楽が流れるとどこからともなく魔物が出現。
なお、流れる曲は一曲目以外ランダムで、その内容でバフの効果が違うらしい。
……ついでに言うと、適切な振り付けで一定時間踊ると更なるバフが貰えるとのこと。
「けど、踊り系のスキルが無いと、そこまで増大しないみたいだし……まあ、とりあえずやるとしますか」
上位個体、その進化版まで出現しての第三フェイズが始まる。
音楽を流して対抗するも、ドローンの弾が通るほどの弱体化はできていない。
それでもその配下たちにはしっかりと通用しており、雑魚狩りだけはできている。
残された上位個体の数は六体、それだけを相手取ればいい。
「どれ、自分で動くか──[宿業]」
妖刀騒動で手に入れた一振りを取り出し、鞘から引き抜く。
今はまだ意思を持たない刀ではあるが、経験を積んでいけばいいだけの話。
そういった意味では、こういう特殊な手合いとの戦闘もいい糧となるだろう。
武器を構え、前に進んだ俺は──あっさりと魔物に殺される。
「お前は俺を殺したんだ、だから俺がお前を殺しても許されるよな?」
『!?』
死んだと思わせ、油断していたところで心臓に一突き。
核まで届いたその一撃で、圧倒的に強いはずの個体があっさりと倒れた。
それもそのはず、[宿業]は迷宮核で構築された特殊な刀。
迷宮の外に居るため完全な不壊では無い物の、魔力を籠めればかなり強靭な物と化す。
アイドルたちのバフは、純粋に能力値への補正では無く特殊な物が多い。
そのため俺も恩恵を得て、魔物を殺しやすくなっているというのも理由の一つだが。
──そうして俺は、残りの五体も同様の方法で殺していくのだった。