第一回コラボイベント後篇 その18
第一回コラボイベント後篇 その18
布教活動を行っているが、残念なことに信仰心が深くない休人にはさして効果が無い。
それでも根気よくやっていこうと決め、俺はモンパズコラボのステージへと向かう。
「えー、お集まりいただきありがとうございます。それでは、最終確認です。これから登場するモンスターは、こちらの世界の魔物を喰らうことで超進化した存在という設定のようです」
モンスター特有のジェム攻撃以外無効化が無くなる代わりに、純粋に強くなっている。
また、無効化でなくとも大部分が減衰してしまうのでその対策も必要だ。
「今回のイベントにおいて、アイラブコラボと同様に皆さんの武器に塗料を塗ることで特殊ギミックは無くなります。ですので、まずはモンスターの牽制役を配置、それ以外の方にはジェムを集めてもらいます」
魔法職なんかは媒介となるアイテムに、加工したジェムを嵌めれば攻撃が通る。
持っているだけでも近接遠距離関係なく攻撃はある程度通るが、やはり加工が一番だ。
そして、:DIY:スキルを持っている俺が加工すると最上級の結果が出るわけで。
アイラブコラボから共に居る者たちは、その性能を期待してくれているわけだな。
「何か質問は…………そちらの方」
「……分配はどうなる?」
「特には。皆さんが参加し、指示したこと以外で得たポイントはすべてご自身のものですよ。私は支援のボーナスと参加賞分だけで充分ですので、好きなようにお動きください」
仮に無茶をやるような人だったとしても、そうなったら蘇生薬を投げつければよい。
そいつは身勝手な行動でポイントが減り、俺は逆に蘇生という支援で高評価を得る。
お互いにやりたいことをやれるのだ、何ら損は無い等価交換というヤツだろう。
……一部の参加者は、気まずそうに目を逸らした気もするが、たぶん気のせいだ。
◆ □ ◆ □ ◆
塗料を塗り、ジェムにカッティングを行う合間に蘇生薬を運搬役に渡す。
すでに何度もやっていることなので、慣れた手つきでそれを投げてくれた。
武器と違い、投げて当てれば効果を発揮するのでそれで充分。
……最初の方は、貴重品だからおどおどしていたが、大量の在庫を見て諦めたようだ。
「失敗しても大丈夫です! ただ、死んでばかりいると得られるポイントが減ってしまいますので、しっかりと小まめな回復を忘れないでください! ……あっ、次はこれとこれの運搬をお願いします」
「……」
こくりと頷き、渡した武器を前線に持っていく様子を見る間もなく、どんどん武器に塗料を塗っていく。
こうして一つのことに集中していると、全然失名神話の宣伝ができないんだよな……。
「嗚呼、どうか失名神話の神々よ、哀れな信徒に力をお貸しください」
時たま思い出したように言ってはいるものの、正直誰も聞いていない気がする。
そんなことを考えつつも、手だけは止まらずに作業を終わらせていくのだった。