天空攻防 その05
天空攻防 その05
回想もそろそろ佳境。
突然発生したノイズ、正常に作動しなくなる魔道具、そして──触れられないはずの無敵(蘇生)時間に触れてきた『飛武』。
体を上空に放り出された俺だが、魔道具が使えないため何もできない。
せめてアイテムを取り出せれば、とも考えたが……[メニュー]も使えなかった。
「こ、れは……」
「すまないが、これも依頼なのでな。さて、共に来てもらおうか」
「くっ……」
「理屈は分からんが、アレは効果を発揮しているようだな。余裕が失われているぞ?」
殴打、蹴脚、そして翼撃。
六つの部位から放たれる攻撃が、俺を上へ上へと持ち上げていく。
その間も何度か[死に戻り]と蘇生を繰り返しているが、やはり『飛武』の攻撃は俺の体をたしかに貫いている。
先ほど『SEBAS』が告げようとしていたのは、おそらくこれだろう。
理由は不明だが、権能によって十全な形で攻撃を維持し続けられるのだ。
その理屈が無敵時間にも通じるがために、攻撃を受けている。
実際、じっくり観察してみると無敵時間はダメージを受けていなかった。
(……つまり、ダメージは無いがノックバック的なモノは発生するわけか。こういう時、『SEBAS』が居ると分かりやすく解説してくれるのにな)
そして、『SEBAS』との連絡が途絶した原因と思われる『飛武』曰く アレ ・・ 。
これが原因で、[メニュー]などのシステムも正常に動かないのだろう。
だが、[死に戻り]で何度もこの場に蘇生できている以上、まったく使えていないというわけでもない……おそらく、新規で使おうとするモノはすべてダメということだ。
加えて、アレに対抗するには一定の格が必要なのだとも思われる。
魔道具はダメ、[メニュー]は新規の使用不可、そして──
「星具は使用可能、と──『星転万還』」
「そんなもの、効かん!」
今回は明らかに何かあると予測していたので、こっそり隠し持っていた腕輪型の装備。
そこに埋め込まれていた宝珠から、膨大な量の星気が放たれ『飛武』に向けられる。
それ自体はあっさりと弾いた。
しかし、その一瞬の行動によって俺はほんの僅かだが自由を取り戻し──反撃に出る。
「それが分かれば結構。ええ、少しばかり落ち着きましたので、こちらからも行かせてもらいますよ」
「……無駄なことを。大人しく運ばれていれば、苦しむことも無かっただろうに」
「世に無駄なことなど有りません。それを己が身で証明してみせましょう」
魔道具は使えないが、星具は使える。
足に履いていた『星水の足袋』から水を生み出し、踏める水という性質を付与して足場にしておく。
これで一定の場所に残ることはできた。
だが、相手は自由自在に飛び回れる……こうなると、圧倒的に不利な状況だな。