LNCrawler

天空攻防 その07

転生して進化したら最強になって無双します — novelba.com · All chapters

天空攻防 その07

放たれた無数の弾丸。

そこに装填された脆弱な術式──だが、それは『グランドマロット』の効果により、凶悪な魔法を同時に秘めた代物。

「あの時よりも、できることは増えました。つまり、セットすることができる魔法の数も増えています。さぁ、どうかこの舞踏会をお楽しみください」

弾丸は一定の距離を飛んだ時点で、そこに籠められた術式を作動する。

蝋燭の火、水一滴、そよ風、土埃……などほんの小さな現象。

術式は子供でも使えるような微弱なもの。

しかし、それが発動しきった途端に引き起こされるのは──業火、大洪水、暴風、巨岩と超常的なモノばかり。

「面妖な……だがこの 武闘会 ・・・ 、ぜひとも楽しませてもらおう!」

絶対に言っている字が違うであろうが、意気揚々と魔法を跳ね除ける『飛武』。

拳や足、そして翼を振るっては最上級に位置するはずの魔法を軽く潰していた。

毎度のことながら、どうして俺が相手取る者たちはそれが容易くできるのだろうか。

今使っている魔法を一度使えれば、初心者でもあっという間にボスを倒せるのに。

「ハァ……仕方ありませんか。しかし、よくぞそこまで耐えられますね」

「ふっ、当然だ……武闘世界の者であれば、これぐらいは容易い」

たしか、武闘世界の特徴は武技のカスタムができる世界だったはず。

それが影響しているのか、あるいは他に何か理由があるのか。

だが事実として、『飛武』の鍛え上げられた肉体は魔法を破壊していた。

これが武闘世界の常識というなら、少しばかり策を考え直さないとな。

そう決めた俺は、『グランドマロット』の象徴である杖を解除する。

何をするのか、訝しむ『飛武』を前に俺は手の甲を翳す。

「──『インストール:セバスチャン』」

すでに閉じている『SEBAS』との接続線……だがそもそもとして、違和感を覚えていたことが一つ──インストールはなぜ、今なお使い続けていられるのか。

そう、『バトルラーニング』は今もその効果を発揮していたまま。

事前にインストールをしていたから、そういった理由もあるかもしれない。

だが職業スキルを経由し、女神プログレスから『プログレス』を借りる“神持祈祷”。

これと違って、インストールはあくまでも『プログレス』という情報の貼り付け。

その過程には『SEBAS』が特に気を遣い、普段使っている通信よりもより高度な技術がふんだんに使われている……ゆえに、今もそれが使えていた。

《──!》

「……接続はまだ不安定、ですが繋がりましたね。ええ、回線が少しでも開けば後はこっちのものです」

「──。これは驚いた。アレを破ることは決してない、そう聞いていたのだがな」

「参考までに、そのアレについてご教授願えませんかね?」

「さてな、詳しいことを聞く前に持ってきてしまったゆえに。よくは知らん……それよりも、なればこそ早急に済ませねばな──本気で行かせてもらうぞ」

回線が復旧すれば、おそらく新規アイテムも使えるようになる。

だがそうなる前に終わらせべく、『飛武』も本気を出そうとしていた。

──つまりは時間の問題、これが最後の戦いになる。