続探索イベント その09
続探索イベント その09
そんなこんなで完成した、使い切りタイプのピッキングツール。
あくまでも、初心者や時間省略を目的とする者をメインとした超簡易版だ。
「あとはこれを、『万製の手袋』でコピーすれば……よし、大量に出来た」
アイテムを複製する、というチート級の神代魔道具(劣化模造品)で作り上げた品を一気に増やす。
あとはそれを、集会場に派遣している人形へシステム経由で送れば……準備完了だ。
新商品追加、とでも表記してもらえば道行く休人が目を向けるだろう。
目立たないために、あえて人があまり通らない場所を選んだが……うん、確実に繁盛するはずだな。
《一定数が売れるごとに、事前の調査で候補地にしていた場所へ移転する……というのはいかがでしょうか?》
「おおっ、それがいいな。売上額か、個数かで少し悩むが……まあ、最初の内は個数の方でカウントしておいてくれ」
《畏まりました》
ピッキングツールはお試しということで、少しだけお安くしてある。
そのため、値段ではなく個数でカウントしてもらった方が分かりやすいのだ。
一定数に達成した場合、人形が自動で閉店状態にしたうえで移転を行ってくれる。
……あえて場所は一定数で固定するので、そのうち有志の方が特定してくれるだろう。
「うーん、創作意欲ならぬ制作意欲が薄れてきたな……よし、中級に行ってみるか!」
《畏まりました。それでは、準備を──》
「ただし、意味も無く縛りを付ける。内容はそうだな──」
なんて会話をした後、俺は手に入れていた『中級の鍵:不思議な屋敷』を使いメインストーリーに挑むのだった。
◆ □ ◆ □ ◆
イベントエリア 不思議な屋敷
前回同様、メインエリアではあるが入った瞬間のイベントは発生せず。
頭上に浮かび上がるカウントダウンが、それでも進む物語を表していた。
「──『インストール:イッスンボウシ』」
腕に嵌めた宝石に、管理者権限で流れ込む『プログレス』の能力。
すぐさまそれを起動すると、頭に小さな帽子が載り──ちょうどそのサイズになる。
帽子のサイズが合ったのではない、俺のサイズが帽子に合ったのだ。
それこそが『イッスンボウシ』の能力、名前の通り一寸になれる帽子である。
「このまま潜ったところで、空間に呑み込まれるわけだが……はてさて、上手くいけばいいんだけど──“神持祈祷”」
一つひとつを対策されているならば、複数で試してみればどうなのだろうか……というバカ丸出しのやり方だが、暇なのでやってみようじゃないか!