続探索イベント その20
続探索イベント その20
イベントにおける総合入賞は無理だろう。
それでも、生産部門であれば三指に入ると『SEBAS』のお墨付きを貰えた。
「ふぅ……今回はそこまで被害を受けないでいられたな」
間もなくイベントは終了する。
すでに探索への挑戦は打ち切られ、代わりに結果が公表されていた。
一人ランキングを確認すると、やはり前回は載っていた総合に名前は無い。
代わりに生産部門でのランクインを果たしており、順位は──
「二位、か……やっぱり、ちゃんと需要があるアイテムを売った方が一位になるよな」
《この『アンリエット』という方ならば、確認しております。ポーションや魔道具など、錬金術で生産可能なアイテムを手広く提供しておりました》
「錬金術特化の職人か? まあ、『錬金王』には敵わないだろうし何とも言えんな。所属は……生産世界か、こりゃあアイテムを取ってくるのも難しいか」
俺の代わりに一位になっていた休人。
名前的に(少なくとも振る舞いは)女性だと思うのだが、そんな彼女(?)とお近づきになろうとは思わない。
いやまあ、いきなり絡んだら完全に不審者なのでやりはしないが。
得られるであろう錬金術の知識は、まあ自前でも『錬金王』からでも得られるからな。
ただ、そのためには彼女が錬成したであろうアイテムを手に入れる必要がある。
──がしかし、探索だけでなくアイテムの販売から譲渡まで今は全面的に禁止中だ。
なのでアイテムが欲しいならば、彼女が活動する世界に行かねばならない。
……うん、生産世界にはしばらく渡航できないので諦めよう。
「一位になった以上、人目を避けるか逆に目立つかだしな。今更俺が行くと、ジンリの手の者に見つかりそうだ……しょうがない、人形にメッセージでも送ってもらおう」
《よろしいのですか? そうなれば、ジンリ様は──》
「んー、アイツも関係ない善良な市民を巻き込むことはしないだろう。俺の手段に干渉できるなら、それはそれでアイツがどこまでこの世界に食い込んでいるのか分かる。その辺も調べておきたい」
《畏まりました、旦那様のご指示通りに》
ジンリの影響力は凄まじい、それこそルリはともかく俺などよりも圧倒的に。
そんな彼の進捗を、俺に干渉できるかで試すわけだ。
「まあ、そもそもアンリエットさんが応じてくれるかすら分からないけどな。手土産にはそうだな……よし、:DIY:抜きで作ったアイテムでも入れておこうか」
さすがに:DIY:スキルに頼った物は、性能が良過ぎるので断念。
俺が作れる限界の品をお土産にし、人形を彼女の下へ遣わせ──イベントは終了した。