神様談(25)
神様談(25)
何も無かった真っ新な空間、神々の……神話としての権威を失っていたそこは、少しずつかつての彩りを取り戻していた。
切っ掛けはやはり、星渡りの民──休人たちの来訪。
それは他の神話も同様で、彼らの認識により性質を変える神すらも居たほどだ。
「つまり、彼らの影響力はとんでもないってことだよ。たしか、彼らの世界では過去の偉人が女の子になったり偉丈夫になったり、果ては彼らが使っていた武器すら人の姿を得たりするんだよ」
『…………』
「うん、その通り。この世界ならそれが可能だって、彼らはそう信じている。強い思念、神々はいつだってそれに応える──僕たちに必要なのは、そうした信仰なんだよ」
そう語るのは少年の姿をした存在。
その正体は創造神──名を失った神話の主は、それでも明るく振る舞い自らに協力する神々に意思を伝える。
「幸い、僕たちにはツクル君が居る。最近はいろいろと布教してくれているから、知名度がほんの少し上がっている。休人にとって、神話はたくさんあるものだからね。マイナーでもあると信じてくれる」
「じゃが、存在すると認知するのが限界であろう。特に、儂らは神固有の名を名乗ることができん。それでは本末転倒じゃ」
創造神に反論するのは老人──否、老神。
その正体は死神、彼はこの場に居る神々の中でも発言力が高い。
「ツクルが、休人どもが何度も死ぬことで儂の力も少しずつ回復していった。じゃが、死という概念によって得られる分、それを死神すべてで不平等に分け合っておるのが現状。まだまだ程遠かろう」
「うん。彼らは基本、識別することなく現象で神を信じるからね。この世界に神が居ることは信じてくれても、使える者は何でも使う彼らの原理に当て嵌めてくれているだけ。個神を信じているわけじゃない」
「ではどうする。まさかツクルに、そこまでやれと命じるのか?」
現状、正しく彼らの威を広めることができるのはツクルのみ。
手順を踏めば、彼らは名を取り戻すことができる──しかしそれは、険しい道のり。
「ううん、もう一つの手段をすでに用意してあるからね──ねっ、プログレスちゃん?」
「はいはーい、ご主人様が過労死されても困りますもんね。あっ、もうとっくにご自身でお試しになっていられるようですが。えーっと、交渉は無事完了。ヴァルハラ、オリンポス双方ともOKでしたよ」
「…………何をするつもりだ?」
「ふっふっふ、◆◆◆◆や他のみんなにも内緒で準備していたんだよ。ここでいっちょ、やってみようか──革命をね♪」
頭を抱えたくなる死神。
しかし、創造神に制裁を加えることができる◆◆◆◆はこの場に居ない。
……とりあえず、あとでしばこう。
そう、心に誓う死神なのであった。