オリンポス神殿
オリンポス神殿
オリンポス山の山頂、オリンポス神殿での一悶着。
お偉いさんに庇ってもらいつつ、辿り着いた巨大な絵に触れ──目的の場所へ。
「ここが……本当の神殿」
神殿とは神像などの信仰対象を置く場所でもあるが、神の住居という意味合いもある。
俺の来た場所はまさにそれで、例の絵を通じて本当の神殿にやって来た。
《座標は同じ場所です。神の権能……いえ、これは元よりそういった設計で築かれた物なのでしょう》
「神殿が先か、神が先か……いずれにせよ、最初から予定されていたからこそ、だな」
要するにやりようによっては、俺と言うか失名神話の神々でもできるわけだ。
まあ、その辺は女神プログレスを介してでも決めるとして……問題は他にある。
「──さて、何か申し開きは?」
「えーっと……てへぺろ♪」
「反省は無し、と……後ほど、然るべき対応があると思ってください」
「うぅ……すみません、こちらとしても予想外だったんですよ」
何でも、プログレス側としてはきちんとアポも取って転移の許可を取っていたらしい。
だというのに、転移後に俺は居ないし転移阻害の除外から俺の登録が消えていたと。
理由は分からないし、担当者も首を傾げていたそうだ。
……いろいろと言いたいことはあったが、今言うべきは一つ。
「失名神話の神々に、何かトラブルなどは起きていませんか?」
「はい、そちらには何も」
「ならば構いません……私が対象となり、囮となるのであれば。しかし、そうですか……この会、何か裏がありそうですね」
まあ、妨害行為をしたうえで落ち度を失名神話に押し付けるつもりなのだろう。
普通なら会場を提供したギリシア神話が責任を持つのだが、おそらくそうはならない。
単純な話、ギリシア神話がそれをする必要は無いからだ。
そしてそれは、北欧神話も同じこと……むしろ内輪揉めを疑われることになるだろう。
「『SEBAS』、可能な限り注意して観測の方をお願いします。秘匿となっている区画には手を出さず、あくまでもパブリックな場所で構いません」
《畏まりました》
「プログレス……貴女にも一つ、お願いしたいことがあります。私が向かう前に、神々に伝言の方をお願いできますか?」
「はい、問題ありません」
間違いなくこの後も、俺を貶め失名神話の神々に迷惑を掛けるような何かが待ち受けているだろう。
そのことを事前に伝えてもらいたいし、何より俺の覚悟を伝えてほしかった。
内容を聞いたプログレスは、それを失名神話の神々に伝えてに行く。
俺は俺であることを準備しつつ──指定された場所へ向かうのだった。