懇神会 その01
懇神会 その01
あからさまな妨害、それは俺を貶め失名神話を貶す所業。
それに抗うため、女神プログレスにあることを伝え──行動に移った。
「『光学迷彩』を起動して、透明薬を飲む。あとは『インビジブルクローク』を使って、最後に──“アンタッチャブル”」
暗躍によく使う、姿を隠すための準備を無数に重ねる。
俺を感知できないと、触れられない現状はまさに暗躍に適しているだろう。
「神に通用するか微妙なところだが……一先ずは、大丈夫だな」
かつて、失名神話に属する脱獄神を相手に試したことはあったが、試すジャンルが違うので正直不安ではあった。
しかし、俺がどれだけ動こうと、神殿を歩く者たちに気付かれない様子を見る限り……ある程度は大丈夫そうだ。
《神の持つ神眼、あるいは神器など……決して見破る手段が無いわけではございません。神の権能は『プログレス』の上位に存在します。看破に特化する権能があれば、あっさりと見破られるでしょう》
「だろうな……まあ、知り合いなら誤魔化してくれるだろうし。一部の連中は……うん、愉快犯的に無視してくれるはずだ」
脳裏に浮かぶ、そういった盛り上がりを食い物にする神様たち。
何だかんだ、ノリのイイ神様たちが多いからな。
《旦那様、それでは例の場所に移動します》
「ああ、頼む……何だかんだ、誰も居ない方が動きやすいんだよな」
俺もかなり昔、ギリシア神話やら様々な神話を読み漁っていた男だ。
なので伝承に在った物が本当なのかなど、いろいろと見てみたいと思っていた。
「──あんまり時間を掛け過ぎると、それはそれで失名神話の神々に迷惑を掛けることになりそうだけどな……だからこそ、暴いてみせるぞ」
《私も全力を尽くしましょう》
俺も『SEBAS』も、やる気は充分だ。
失名神話を貶そうとする存在には、相応の制裁を受けてもらおうか。
◆ □ ◆ □ ◆
会場に移動していた女神プログレスは、平謝りをしながら失名神話の神々たちと合流していた……ある女神がかなり冷たい目を向けているが、気づかないふりをして。
「まあ、こうなることはある程度予想できていたからね……ツクル君を貶めれば、僕たちにも間接的に手を出せるからね」
「…………」
「まあ、このままだといろいろと不味いから仕方ない。僕の方で──」
「あ、そのことなんですけど……ご主人様から伝言がありまして」
その内容を彼らに伝えるプログレス。
ツクルを知る神々は、それを聞き──
「あはははっ、やっぱり面白いね。うん、それでいこう!」
「……まったく、あやつは」
「…………まったくもう」
好意的に伝わったメッセージによって、彼らの行動も定まった。
──その結果は数十分後、会の始まりと共に起きる。