懇神会 その06
懇神会 その06
まさに神業、な演芸神様のお手伝いをさせてもらった。
問題は、失名神話の一柱である演芸神様のトラブルがなぜ起こったかということ。
「そもそも、神様やその使徒が行う宴でそこまで小細工ができることの方がおかしい気がする……当然、相応の力が無いとできるはずないよな」
《警戒はしておりますが、やはり神々関連の事象には対応が難しいです》
「神様の権能をそのまま使っているなら、それはそれで簡単なんだが……神器とかだと、余計に選択肢が増えるんだよな」
神器、それは神の権能を宿した道具。
要はどこでも神のありがたみを感じることができる、いわば信仰を効率よく集めるためのツールだ。
まあただ便利なアイテムとしないため、神様の中には制限を設ける者も居るらしいのだが……今は関係ない。
説明的にもそうなのだが、神様が神器を使う場合はその制限がほとんど無くなるのだ。
地球で語られる神器は実在しているようだし、透明化の神器なんてものも存在する。
「それでも、見つけることが俺の使命だ。やり遂げてみせる!」
《では、看破系の『プログレス』も解禁しましょう》
「まあ、策が上手くいけばそのままでもどうにかなるんだが……どうなるのかな?」
現実では難しいことも、この世界であればやることができる。
ある物がしっかりと自分の傍にあることを確認した後、俺は再び息を潜めるのだった。
◆ □ ◆ □ ◆
──結論から言おう、俺の作戦は上手くいき犯人を見つけることには成功する。
「だがこれは、ちょっとばかり厳しいかもしれませんね」
《旦那様、次が来ます》
「おっと、了解です!」
全力で走る俺。
そして俺を追いかけるように、飛んでくるドローン。
そしてその更に後ろ、俺は何者かに追われていた。
この場はつい先ほどまで居た舞台裏では無く、広いギリシア神殿のどこか。
かくれんぼと鬼ごっこを組み合わせたようなこの状況……どこかの部屋で、また歓声が上がっている。
「この急展開、絶対におかしいですよ」
《彼らは人族よりも高度な──》
「いや、これ以上はいいです。それよりも、今は逃げることだけに集中しましょう!」
宴はまだまだ続いていた。
しかし、俺──そして 彼ら ・・ だけはその場から離れることになっている。
「あの時は上手くいったと思ったんですけども……そうでした、アレがそもそもの間違いだったのかもしれません」
仕込みをしていたのは、俺だけでは無かった……ただそれだけの話だ。
一周回って冷静になってきた俺は、その当時を振り返ることに。