懇神会 その20
懇神会 その20
創造神様とは別に、恩を感じている神である女神様。
彼女とも俺は、懇神会で再会することができた。
「では、私から──女神様、私の無茶な要望に応えていただき感謝します。貴女様が居なければ、今の私はありません……本当に、感謝してもし尽くせません」
「ふふっ、そのように頭を下げなくとも大丈夫ですよ。それに、口調も……普段通りで構いませんから」
「……女神様、分かりました」
「変わってないじゃありませんか……それに女神様、ですか。神名を聞くことはできないでしょうから……『フリシア』、そう呼んでもらえると嬉しいです」
女神様──フリシア様はそう言って、頭を下げていた俺に笑顔を向ける。
周りも周りで盛り上がる……ん? 遠くからこちらに来る女性が──
「◆◆◆◆様、こちらに──ッ!?」
「アインヒルド、そうか……お前も招かれていたんだな。それにしても、北欧神話の戦乙女がどうして……」
「……貴方こそ。私は今、◆◆◆◆様の使徒になっているのです」
アインヒルドは俺の専属戦乙女という契約があったのだが、どうやら神様の方が優先されるようで──まあ、契約は解除されるわけではなく、優先順位が変わるだけだ。
「まあ何だ、アインヒルドが楽しそうならそれでいいか。何かあったら連絡するから、フリシア様の予定が空いてたら手伝ってくれ」
「フリシア様? ……ああ、いちおう人族でしたね」
「いちおうって何だいちおうって。生まてからそれ以外だったことなんて無いぞ。しかしまあ、アレだな……」
フリシア様の神名が分かるからか、何やら自慢げな彼女だったが……俺が言い含めた内容が気になるようで。
「何ですか、その腹が立つ顔は?」
「いやなに、アインヒルドが……やっぱり何でもない」
「そこまで言っておいて、今更言うのを止めないでください。私が何ですか?」
「うーん、まあいいか。出会ったばっかりの頃のアインヒルドに教えてやりたいよ、呼ぶなと言っていたアインヒルドって名前も、否定しなくなるしみんなに呼ばれるくらい定着しましたって……そう思っただけだ」
「~~~~!!」
顔を真っ赤にしたアインヒルドは、瞬間的に“千変宝珠”を起動し──この場がどういう場所かを思い出したのか、ゆっくりと解除していく。
「お二人はとっても仲がいいですね。それは観ていたので知っていますが……少し、羨ましいです」
「違います! 彼とは……そう、ただのビジネスパートナーです!」
「そうだったんですか!? そんな、私はアインヒルドさんのことを、対等に語り合える仲間だと思っていましたのに……!」
「そんな取ってつけたような敬語で変なこと言わないでください!」
俺たちの言い争いを、フリシア様はただ微笑ましく眺めていたようだ。
……まあ、少し疲れていたみたいだし、これぐらいはな。