懇神会 その22
懇神会 その22
本来の戦闘系催しである模擬戦、そちらへの参戦は控えることに。
観戦に徹し、戦闘プログラムをバージョンアップすることを選んだ。
「……ツクルさん、申し訳ありませんがここで失礼します。創造神様が来るようにと」
「そうですか……残念ですが、そういうことであれば仕方ありませんね」
「今はまだその時ではありませんが、いずれツクルさんにお渡ししたいモノがあります。受け取ってもらえますか?」
「えっ? それはもちろんです……楽しみにさせていただきますね」
フリシア様はアインヒルドを連れ、創造神様たち失名神話の神々が並ぶ場所へ。
残された俺は──魔術で存在感を消し、一人観戦に勤しむことに。
「魔術も武術も、それ単品だけならやっぱり『騎士王』の方が凄いんだよな……だけど、ここには別の要素も多いからな」
冒険世界最高の戦士、星に認められた万能の『超越者』である『騎士王』。
器用貧乏ではなく、あらゆる要素が全体的に達人級な彼女は武芸も魔術も優れている。
正直に言ってしまうと、英霊たちの戦闘技術は経験による対処技術を除けば『騎士王』の方が優れている……しかしながら、彼らにはまだ異なる力があった。
「神器、それに傑物ねぇ……英霊の聖剣みたいな感じだよな」
《旦那様……》
「うん、突っ込まなくていいぞ。英傑たちの伝説の具現化、主に物質化するからこその傑物……固有武装、と言った方がいいかもな」
固有武装、こちらは割と知られている。
一部の職業や固有スキルなどには、そうして能力に結び付いた武器を生成可能なものがあるそうだ。
また、広義の意味では特典も含まれているので、要は唯一無二の武器ならば全部固有武装と言っておけばいいわけである。
「傑物の獲得条件って、具体的にどういうモノなんだっけ?」
《生前での一定の功績を有したうえでの英士系種族への転生、また一定の認知を得たうえで英勇系職業に就くことですね。あるいは、遺物の昇華なども該当します》
「遺物……まあそうか、アイテムなら生前の物が残るのか」
《傑物としての性能はありませんが、成り得る可能性を秘めている以上、新たに功績を注ぐことで傑物となる可能性がございます》
会場に設置されたモニター内では、そんな傑物を使い戦いを繰り広げる英士たちの姿が映し出されていた。
あまりに元も子も無いことも言うならば、傑物とはめちゃくちゃ強い武器だ。
そんな代物だからこそ、普段は使用を禁じられている。
「何でも斬ったって伝説があれば、その剣は万物を切り裂く剣となる。ただ、ここで気になるのは剣そのものが凄いのか、担い手である英士自体に力が備わっているのかだな……うん、調べ甲斐があるよ」
戦闘そのものの解析は、『SEBAS』が絶賛実行中。
自己流の考察に助言を貰いつつ、観戦を楽しむのだった。