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懇神会後 前篇

転生して進化したら最強になって無双します — novelba.com · All chapters

懇神会後 前篇

アイスプル

懇神会が終わり、無事に戻ってきた故郷というか本拠地。

俺の手の上に乗った箱も、ようやく中身を拝むことができる。

「さて、いつものように開けますか」

能力値を弄る『ステータスコンバート』、一時的な増強『エクステンドポーション』。

他にも運を高めるために必要な作業をこなしていき、最後に──

「──“神持祈祷:命運神”。ルリ、頼むからいいのを出させてくれ!」

EHOにおける幸運を司る女神……もというちの現人神様に祈りを捧げる。

これで準備は万端、さっそく箱の中身を確認すべく蓋を取る──

「これは……! えっと、紙だな」

何の変哲もない一枚の紙きれ。

しかし特殊な素材が使われているのか、放つ存在感が尋常ではない。

「“鑑定”……は通らないか。職業スキルでブーストされているはずなんだけど」

鑑定関連の職業は、“職業強化”も施し常駐化が済んでいた。

もちろんすべての効果を強化済みなので、先ほどの“鑑定”が俺にできる限界だ。

「つまり、分からないわけだな……ん? 裏に説明が書いてあった」

《これは──知恵の巨人ミーミルへ質問を行える伝送紙のようですね》

「伝送紙? ああ、速達の手紙みたいな感じか。知恵の巨人ミーミル、つまりこれは北欧神話由来のアイテムか」

《大変貴重です。本来であれば、代償か 永い ・・ 待ち時間が必要となりますので》

神話的には、知恵を得るためオーディンが目を捧げたなんて話があったな。

だがこれはそういった物を必要とせず、書くだけで内容に対する答えが届くと。

《ただし、その知恵は北欧神話に連なるものに限ります。旦那様の世界、そしてギリシア神話や失名神話に関する情報は、あくまで北欧神話が集めた情報に限定されてしまいますのでご注意を》

「アイスプル、そして失名神話の現状を聞いても全部は分からないってことか。まあ、その辺はいずれ創造神様が話してくれるだろうからいいけど」

何となくそんな予感はするんだよな。

ただ布教させるだけにしては、与えた借りがあまりに大き過ぎるし。

先行投資に見合った量の何かを、求めてくるとは思うのだけれど。

その辺も含めて、事情をいずれ話してくれると助かるな。

「しかしそうなると、北欧神話関係のことしか聞けなくなるな……そうなると向こうの神器か英霊か、あるいは──戦乙女か」

今回再会した一人の戦乙女のことを考え、あることを思いつく。

それでも紙に何かを書くことは無く、そのまま[インベントリ]に仕舞う。

「まあ、すぐに書かなくてもか。何か必要な事態が起きるかもしれないし……そんなことにはなりたく無いけど」

そうだ、実際にミーミルの泉に行ってみれば何かあるかもな。

やりたいことを頭の中に刻み、俺は作業を終えるのだった。