偽装計画 後篇
偽装計画 後篇
人を招くために作ろうとしていた偽装都市なのだが……話の流れで、それが大陸規模になることに。
まあ、それそのものは別にできなくも無いのでいいし、我ながらいいアイデアだとも思う……そんな中、ある意見が出た。
「──疑問。闘技領域を用いれば、ある程度死は許容できるのでは?」
そう提案したのは、『機械皇』が創り上げた機械人形である銀花。
俺個人としては、死が当たり前と言うのはどうかと思うので何も言わなかったのだが。
『……あっ』
「おい、今『あっ』て言ったな。あと、今更だがアイツらを倒せる奴って居るのか?」
『……』
風兎が恐れていたのは、魔物たちがこの世界を訪れた者たちに殺されること。
中でも、固有種に進化した住民たちは人族に殺されると蘇生できなくなる。
──と昔は恐れていたのだが、今はそれを防止する仕組みがこの世界にはあった。
その仕組みを展開した場所、そこを俺たちは闘技領域と呼んでいる。
「指摘。それでも不安はあるでしょう、冒険世界の中だけでも『騎士王』や【冒険勇者】などの特異的存在が確認されております。ですが、そのような者たちを招くつもりが無いのであれば、討伐は困難なはずです」
『……むぐっ』
「慇懃無礼。彼らとて、ただ守られるのは嫌だからこそ力を付けているはず。ある程度の保護はともかく、一切合切すべてを拒絶するというのは些か問題では?」
『ぐっ…………たしかに、その通りだ』
風兎はかなり過保護な性格をしている。
俺との出会いも、森中に悪影響を及ぼした俺の制裁のためだったし……まあ、これは過保護じゃなくてやっていただろうけど。
『つ、ツクル……闘技領域はどこでも創ることができるのか?』
「まあ、可能ではあるぞ。ただ島を創るより消耗はアレだが、それで風兎が安心してくれるならそっちの方がいい。死亡後の蘇生、それと特典化の防止……この二つでいいか?」
『すまない。だが、ぜひともお願いしたい』
「了解だ。その辺も加味して、島の創造に当たらないとな……最低限来訪者を打ち倒せる戦闘力を有していて、人とも対話可能な魔物のピックアップを頼むぞ?」
人化ができる魔物もそれなりに居る。
これは外部との通商を始める中で、それなりに『お得』な魔物が増えてから。
……うん、タダで働かせるのも忍びないのである程度の許容をしたのだ。
すると、味を占めた魔物たちがその役を得るために人化の努力を始めた。
結果、固有種ではない魔物たちのほとんどが人化を得て『プログレス』を使えるようになった……うん、食への飽くなき探求心とは恐ろしいものよ。