都市計画 中篇
都市計画 中篇
魔物たちの指導は、風兎と『SEBAS』もといセバヌスが行うようだ。
俺はその間、インフラ関係をどうにかすることに。
「とはいえ、だいたいは機械と魔道具を操作するから簡単にできるんだよな……」
建物に穴を開けると同時、管を通して地面に繋げていく。
設置していた水を生み出す魔道具、管の反対側をそこに差し込んで──完成だ。
「こっちの世界で楽なのは、水を出す方は考えなくていいことだよな……魔力を持たない種族なんかには、普通に屋上で溜め込んだ水が流れるようにすればいいかな?」
水道自体に魔力を必要としない機構であれば、そういった種族でも問題無い。
担当者は普通に魔力を使えばいいし……一つぐらい、いっさい使わない仕様にするか。
「世の中に絶対は無いしな。もしも、魔力の仕様が封じられたら……なんてことも考えておくか」
暇潰しというわけでもないが、学生がテロリストの襲撃を想像するアレである。
備えに憂いなし、:DIY:スキルの知識に頼りながら対策を作り上げていく。
自然の魔力だけで水分を集める方法はあるのだが、それもできない場合を想定。
現実世界でも存在する貯水タンク、そこに浄水機構を取り付けておく。
「これだけでも、充分向こうより凄い気がするけど……魔物の素材って、とんでもないところがあるよな」
少なくとも現実世界に、これを入れれば何でも浄化できる……なんて物は無い。
今回俺が入れたのは、半永久的に水の浄化ができるというとんでもアイテム。
それをタンクに入れた。
魔道具でも何でもないので、たとえ魔力に何らかの問題が発生しても水の浄化そのものは上手く機能するだろう。
「ついでに、現実版の浄化フィルターなんかも付けておけば……よし、これでいいか」
《──旦那様、地下の掘削が終了しました》
「おっ、ちょうどいいタイミングだ……」
しばらく水道関係の作業を行っていたが、『SEBAS』が地下道の完成を告げる。
用途はお察しの通り下水道、完備しておかないと街が汚くなるからな。
なお、街全体の情報だけじゃなく、下水管などの配管関係も把握できる“統星掌握”。
今までは何も無かった大陸も、今ではぎっしりと配管が街中に通っていた。
「配管でも術式が成立しそうだな……いや、弄れなくなるのも面倒だからこれはいいか。インフラ関係はこれでよし、いちおう下水道とその浄化システムのチェックをして、その間に住民たちの方を見て回るか」
あくまでもこの大陸と都市は、来訪者を歓迎するためのもの。
ゆえに住民たちには演じてもらう、この街の先住民たちを。