神様談(26)
神様談(26)
白──否、無が広がる領域。
かつてはそうだった失名神話の世界は、ある日突然色づき始めた。
力を取り戻していった■■■──創造神を中心として、再び集まっていく神々。
捧げられる供物を糧として、その領域は賑やかになっていった。
「ついに、あの街にも人が暮らせる街ができるわけだね」
「街自体はすでに、ありましたけど……」
「まあ、アレはアレでいいんだけど。技術的な問題がね……」
■■■、そして◆◆◆◆──つい先日、フリシアと呼ばれた女神は語り合う。
宙に浮かぶ不可思議な窓が映し出すのは、偽装都市と名付けられた偽りの街並み。
だがあの場に広がる街以前に、 彼 か の世界には街が存在していた。
しかし、そこには問題が一つ──
「ハイテク過ぎるからね、あの世界。少なくとも、彼らがまだ知り得る範囲であの街を越えることは難しいよ」
「■■■様……」
「鍵は別の世界だ、ツクル君が見つけられるかどうかは分からないね。休人、星渡りの民が誰か見つけるその時を待つしかないよ」
かつて栄え、そして幻想と化した世界。
その中には、ツクルが築き上げた本来の街並みに負けず劣らずの技術が注ぎ込まれた世界が存在している。
しかしそこは、現在渡航が行われていない封鎖国家ならぬ封鎖世界。
そこに向かうためには、『鍵』を見つけ鎖国もとい鎖界を解かねばならない。
だがその世界は、ツクルが自由に活動できる場所では無かった。
これまで二つの世界を解放していたツクルだが、今回に関して関われるかは不明だ。
「アイスプルも発展していく、そしてそこで信仰される僕たちの神話……ふっふっふ、これはあっという間に力がどんどん増えていくかもしれないね」
「そうですね、ツクルさんならばやってくれるでしょう」
「おっ、てっきり否定されると思ったんだけど……◆◆◆◆も期待しているんだね」
「そう、ですね。あの方であれば、やっていただけると……そう確信しています」
これまでの軌跡を見守り続けた。
停まった星の開拓から始まり、休人の中でも一際輝くあの姿を見守っている。
今では微々たる祈りが多方から送られてくるものの、それでもたった一人の信仰心がより強い想いを届けていた。
◆◆◆◆にとって、ツクルとは休人の中でも特別な存在。
直接の贔屓はせずとも、己にできる範囲で協力するつもりではあった。
「ダメでしたか?」
「ううん、むしろやってやりなよ。彼は神の無理難題に応え、正当な報酬は支払われていないも同然。僕たちは彼がこの世界を去るまで、その恩を返さないといけないんだ」
■■■が彼に課していたのは、誰も成し得なかった偉業そのもの。
──失名神話の全力で、彼を支えると誓うほどであった。