第二回プレオープン その03
第二回プレオープン その03
街に招き入れた休人たちへ、最初に行う説明と宣誓。
契約書にサインをさせ、案内兼監視役の人形を付けていく。
「はい、ありがとうございます。金銭に関しては事前にご連絡した通り、『プログレス』の決済機能でお支払いをお願いします。基本的にレートは皆さんの世界と変わりません」
いちおうEHOの世界において、お金は同じものが使われている。
これは至ってシンプルな理由で、システム的にお金がドロップするから。
なお、熔かして金属を利用することはできない……不思議と消滅するのだ。
一部の場所などでは独自の通貨もあるらしいが、ほとんどの場所でそのお金が使える。
そして、『プログレス』には休人のシステムが流用されているため、貯金しておくゲーム特有の不思議システムも使用可能だ。
大半の商人はそのため、『プログレス』払いを信用の証として使ってくれている。
……電子決済のようなものだが、必要になればその場に金も出せるから便利なんだよ。
そんなこんなで、アイスプルもまた同じような取引の仕方にしてみた。
魔物たちにも使い方は教育しているのし、問題があれば『SEBAS』が対応する。
「それでは、お好きなように行動してみてください。時間になりましたら『プログレス』へご連絡を入れますので、こちらへ戻ってきてくださいね」
──つまり、その間何もしない暇人は俺だけということだ。
◆ □ ◆ □ ◆
初めは誰もが問題行動を起こすことなく、街の中を散策していた。
見たことも無い新天地、彼らにとっては知的好奇心を満たす時間だったのだろう。
しかしながら、その好奇心は猫をも殺すようなもので。
……いかにタクマが厳選していようと、物事にはやはり限度がある。
「──来たか」
俺の下に届いた通知。
それは問題行動が発生し、その対処が実行されたというものだった。
「『SEBAS』、状況は?」
《休人同士で商品の取り合いが発生。口論ののち、戦闘が発生した模様》
「脳筋かよ……狙ったのは?」
《……旦那様作のロマン武器です》
…………うん、仕方が無いな!
アレの価値に気付くとは、なかなかに良い観察眼の持ち主たちだ。
俺としては無罪放免にしてやってもいいのだが、やはり都市とは法を布いてあるもの。
それを撤回するのは問題になる、彼らには犠牲になってもらおう。
「ということで、さっそく出番だ。準備はできているか?」
『──はい、いつでも』
「それじゃあさっそく、任せたぞ」
俺との会話を終えるとほぼ同時、動き出したその者によって街の一画から光が消える。
それは断罪の始まり──懇神会を経て、こういう演出が大事だって学んだからな!