魔導世界密入 その03
魔導世界密入 その03
改めて、魔導世界についてお勉強。
目的であった術式の改良、そこにはいくつか前提条件を満たす必要があった。
「一つ目、術式の熟練度。ある程度慣らしていないと、術式には手を加えられない」
《生成量の追加や形態の変化であれば少量で済みますが、より複雑な改良を行うのであれば相応の使用による熟練度の向上が求められます。また、一定上の熟練値は、ただ使用するだけでは上がらないようです》
「……これまた面倒な。アレだろ、強い相手に使わないとダメとか改良はせずとも自分で応用法を探して使ったりしないといけない、みたいな感じの」
《ご推察の通り。上位の相手との修練、または戦闘。そして、複数のスキルを掛け合わせた発動など、ただ一発ずつ発動させるだけでは熟練度の向上が緩やかになっていきます》
まあ、そこはレベルを上げるのと同じだ。
ただスライムを倒して何百年……みたいなノリでやるには、相当な時間を掛ける必要があるし、それでは一つの術式ぐらいだろう。
一つの術式を磨くだけでなく、多くの術式に手を出すのならばさらに時間が掛かる。
まあ、その辺は人それぞれ……術式次第だが、極振り無双もみたいな展開も有りか。
「ところで『SEBAS』、結界の術式の熟練度ってどうなってるんだ?」
《はい、そちらですが──100%、最大値まで到達しています》
「%で表示されるのか……というか、もうすでにカンストなのか」
《正しくは、魔導世界外で得られる数値としての最大値ですね。旦那様は結界を常時展開しておりますので、時間による蓄積とその効果範囲によってカンストしておりました》
俺が発動しているのではなく、用意した術式の星の力で運用していたのだが……どうやらそれでも良いらしい。
ただ、そのやり方が適応されるのはあくまで星の管理者のみ。
……まあ、悪用とかされる可能性もあるから、制限が設けられているのだろう。
「それなら一つ目はクリアか……さて、それじゃあ二つ目のリソースについて頼む」
《畏まりました。二つ目である捧げるリソースですが、こちらは主に魔力ですね。術式に手を加える際、他世界と異なりこちらの世界でしか行えない術式を行使します。その際、魔力を捧げて起動する必要があります》
「まあ、術式を改良する術式ってのはありそうだな。で、主に魔力ってことはそれ以外にも手段があるわけだ……捧げるって言い方になるってことは、相当ヤバいものも含まれているんじゃないか?」
《ご明察です。単純な術式であれば魔力で充分ですが、複雑な術式や特殊な方法で得られる術式の中にはアイテムを捧げることでしか改良できないものも。中には、生物の魂を捧げる必要があるものもございます》
うーん、これまたど定番。
禁忌の儀式とかそういうのって、裏にこういう目的があったのかもな。