魔導世界密入 その08
魔導世界密入 その08
向かう場所は入念に選ばねばならない。
向かった先の『八大星魔』と、ほぼ確実に戦うことになるからな。
「一番行きたいのは七つ目の謎の場所だが、それは行ける確証が無いからな……さて、どうするか」
《でしたら、ここに居る情報屋を活用してはいかがでしょう? 対価は必要となるでしょうが、[掲示板]以上の情報は手に入れられるでしょう》
「それもそう……だけど、俺が出るのは不味いだろう。たぶん、方法はどうあれ俺に紐づけているとバレる」
《その懸念はもっともです。ですので、ここは私が》
俺と『SEBAS』は別の存在。
装備しているアイテムの影響で操作権限などは共有しているが、そこを切り離せば俺との繋がりは断てる。
ただし、その方法を取っている間の支援は見込めない。
座標などはまた別の手段で把握可能だし、合流は簡単だろうけど。
「『SEBAS』、お前に任せよう。提供できるものはだいたい許容するから、確実に情報を得て来てくれ──『セバスチャン』」
「──畏まりました、お任せください」
今の俺と『SEBAS』──セバヌスとの繋がりは、『プログレス』によるもののみ。
少なくとも、魔力的なものではないのでバレる可能性は極めて低い。
ある意味、これはテストだ。
これすらも見抜く実力が、『八大星魔』でもない者たちに露見するのであれば、さすがにいろいろと諦めた方が良いだろう。
「では、私はさっそく[掲示板]に挙げられていた情報屋の下へ」
「たぶんだけど、全員が全員タクマみたいに知られているわけじゃないだろうしな……手段は問わないから可能な限り、いい情報屋を見つけて来てくれ」
「畏まりました、善処します」
タクマはあくまで冒険世界の情報屋。
魔導世界のことまで網羅しろ、というのは酷な話だ…………まあ、ジンリなら他の世界もある程度把握しているだろうけど。
セバヌスは俺に頭を下げ、再び街並みへ。
残された俺は……とりあえず、何もすることが無いのでこの場に待機だ。
「さて、このまま大人しくしているのが一番か? いや、それが一番なんだけど……俺の運って、ゼロだしな」
「──おっ、いいカモ発見! なあ、欲しい物があるんだが……金分けてくれねぇか?」
「そうそう、いい媒介を買うのにちょっと金が要りようでさぁ……なぁ、いいだろう?」
「うーん、チンピラ程度で手に入る情報に、価値って無いか……無理やり取るより、ここはとりあえず──逃げる!」
「はっ!?」
「おい、逃がすなよ!」
「分かってるって! ──おいテメェら、絶対にアイツを表に逃がすな!」
『おうっ!』
路地裏に潜んでいた俺を見つけた集団。
二人で話しかけてきたのだが、他にも居るのは死亡レーダーで掴んでいた。
俺としても派手なことをしてバレるのは避けたい……彼らの意を汲み取って、一先ずは路地裏の奥へ行こう。