魔導世界密入 その13
魔導世界密入 その13
隠された『八大星魔』。
その存在、そしてそれが潜む領域について情報を得ることができた。
「しかし、迷宮をねぇ……場所は違えど、似たようなことをするってことか」
《旦那様のお考えの通り、冒険世界の暗躍街と類似する情報がいくつか。アレを模し、条件を満たした者にのみ侵入を許可した迷宮としたのでしょう》
「『求まれぬ道』、わざわざ意味もなくこんな名前にするわけ無いだろうし。要するに、行きたいと思えば思うほど、逆に入れる可能性が低くなる……みたいな場所なのか?」
《休人の中には、あるいは辿り着いた者が居るかもしれません。しかし、求め検証してしまうと侵入が困難となってしまうため、確証が取れず情報を開示できない……というのも推測されます》
ゲーマーというのは無駄を好まない。
そのため、確証が取れた情報のみを用い、自分自身の益になるものに時間を費やす。
まあ、無駄を愛す人種も居るし、未開拓の情報を手に入れることを好む者も居る。
結局は人それぞれなわけだ……何の話をしてたっけ?
「…………ああ、迷宮だったな。名前について創作物の知識を合わせるなら、認識が大きく作用するもののはずだな。それこそ、魔法みたいに」
《はい。術式──中でも魔術は人が持つ歴史や神秘性を基に構築されます。『必要悪』が保有する人材が悪に偏るのであれば、彼らの逃亡先……つまり人に知られていない場所、それを体現しているのかもしれません》
「いろいろ難しい話だけど、要は補足されない場所ってことだな。さて、そもそもとしてどうやって行けばいいのやら。迷宮ってことは特定の場所に行けばいいのか?」
《いえ、情報屋によると迷宮は同じ場所に存在せず転々としているようです。故に場所の特定はできず、『八大星魔』ですら確実に向かうことは困難とのこと》
ある意味、その認識もまた神秘性を高めるための布石なのかもしれないな。
誰もできていない、不可能だという認識が世界共通であるからこそ強化されるのだ。
「じゃあ、どうやって行くか……大犯罪でも起こせば、行けるかもしれないけど──それこそ『八大星魔』との逃亡劇になってしまいそうだし、やりたくはない。確証は無くていいから、何かしらの条件を見つけてくれ」
《そう仰られると思いまして、すでにいくつか候補は上げております。術式はこれまでの歴史に基づいた神秘です。であれば、新たな事象による試みは──》
「まだ対応しきれていない、か。なるほど、それならイケそうだな」
こういう時、だいたい頼りになるな。
──『プログレス』、新たな理こそがこの状況を打破する鍵だ。