獲得物確認 前篇
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アイスプル 偽装大陸
「──“ 災星護界 ターディナ ”」
魔導世界で完成させた術式。
特典を組み込むことで特殊性が加えられたそれは、問題無く偽装大陸全体を覆うことになった。
《お疲れ様です、旦那様》
「俺自身はそこまで大したことはしていないだろう。『SEBAS』こそ、準備から全部やってくれて助かったよ」
魔導世界では防衛の術式を世界樹が負担しているが、アイスプルの場合はあえてそれをせずに偽装大陸のみでの構築だ。
外からの侵入の阻止は別の手段。
今回得た術式は、あくまで偽装大陸から外側に来訪者たちが逃亡しないようにするためのものだ。
世界規模の術式を、大陸という狭い(?)規模にすることで性能を高めている。
少なくとも、『騎士王』が鑓を使うレベルでないと傷すら付かないようだ。
「これでこの星が受ける損害は確実に減る。そのうえで、失名神話の神様方の宣伝をすることができる……これ以上引き延ばすのもアレだしな、計画通りに進めていこう」
世の中に絶対や完璧が無い以上、必ず綻ぶ穴からいづれ問題は生じるだろう。
それでも何もしない、停滞を選ぶということは先に進めないのと同じこと。
失名神話の神々への恩返し、それもあるが俺にも人並みに欲がある。
この星を、アイスプルを評価してもらいたい……そう考えたことがあった。
「まあ、高評価しか受け付けないけど……ともあれ、これが俺たちの世界だって見せつけてやらないとな」
《はい》
何だろう、最終回感がするこの感じ。
こう、この後は最初はこんなだったなぁとか振り返ればその流れの果て、俺たちの冒険はまだまだこれからだ! になりそうだ。
「EHOって、どれくらい続くんだろうな」
《開発元であるイーデは、多くの企業を抜き去りトップ10に入る業績を出しているようです。また、EHO以外でも利用可能なアーションも様々な用途で用いられるため、権利関係で売り上げを出しているようですね》
「……うち、なぜか繋がりが有るんだよな。ルリのお陰なのかもしれないけど」
機器は自腹を切って買ったが、俺が務めている会社は薄っすらながら、そんなそのうち長者番付に社長が乗りそうな企業とのコネを有していた。
担当部署と関わりが無かったため、知った時は驚いたものだ。
……タクマは当然のように知っていて、なぜ知らなかったと驚かれたよ。
《──旦那様、そろそろお時間です》
「っと、もうそんな時間か……やっぱり、最終回はまだまだ先だな。さて、厄介な人に会いに行きますか」
現実のことは現実で考えよう。
今はそれよりも、必死に頭を使わなければ案件に向かわねばならない──まずは冒険世界へ、味方を得に。