監獄立案 中篇
監獄立案 中篇
俺と『騎士王』で監獄(仮)について話していると、彼女が呼んでいたであろう人物が現れた──【星賢者】、そう名乗る人物に対して、俺は別の名を尋ねた。
「……」
「アドヴェンス、この星の名前だろう? なら、そっちで呼んだ方がいいと思ったが」
「……いえー、そこは【星賢者】とー。星と繋がってはおりますがー、独立した意識がありますのでー」
「そうか……じゃあ、【星賢者】だな。それで『騎士王』、彼女が適任ってことは冒険世界から他の世界に通じてもらうわけだな?」
改めて、【星賢者】を観察してみる。
毎度のことながら、こちらの人々の容姿が整っているのは言うまでもないが、彼女の場合は人形めいた美しさというものだろう。
繋がっている、独立した意識という単語から分かるように彼女はいわゆる端末だ。
星が異なる視点で世界を観測したい時、送り込む存在こそが【星賢者】。
アイスプルは『SEBAS』が定期的に情報を報告しており、かつまだ星自体にそれを行うだけの条件がいろいろ満たされていないようなので現れたことが無いのだが。
冒険世界には存在している。
その辺は鑑定の拡張情報、そして俺の知らない『SEBAS』の暗躍で把握済みだ。
「そうなりますー」
「なら、確認も兼ねてもう一度話すか」
ここまで話していた俺の星敵認定、そして討滅条件などの確認。
そこから派生した問題児への対処、アンノウン世界への収監。
「──という感じだ。これ、まだ問題が多いけど考慮する余地は無いか?」
「……はいー、わたし個人としてはいいと思いますー。ですけどー、『生者』さんには厳しいと思いますよー?」
「まあ、脱出は苦労しそうだが。監獄を星々に準備させれば、そこから出ても自分たちの準備不足ってことでしばらくは諦めてくれそうだろう?」
「それはそうかもしれませんがー……ですがその仕様だとー、刺客を意図的に送り込めますよねー?」
ヤバいヤツを収監する場所なので、それこそ強くてヤバい連中に俺を殺させるべく送り込む可能性は高い。
中には『必要悪』のように、星公認の犯罪者も居るわけだし……それこそこれだけのために星敵に契約を結ばせ、俺へ仕向けることもできなくは無いだろう。
「でもまあ、想定通りだ」
「……そうですかー」
「中の居心地とかいろいろ、その辺は星同士で決めてもらっておいてほしい。俺は指定された期間だけ自分から入る……それで、とりあえず溜飲を飲んでもらえるか分からんが」
「分かりましたー、伝えるだけ伝えてみますねー」
そう言って、【星賢者】は去っていく。
──すると翌日のことだ、ある場所に来てほしいと『騎士王』経由で伝言が届いた。