監獄生活 その03
監獄生活 その03
迷宮にできた街の中、人型になった魔物も含め星敵たちがそこには居た。
俺は溶け込む……という選択肢をせず、喧嘩を売ることに。
「──[アライバー]!」
単独生存特化型魔道操機。
要は男のロマンが詰まった夢の乗り物、それをこの場に呼び出した。
移動の最中にここの仕組みは解析済み。
まあ[マップ]を使えた時点で、休人由来の[メニュー]関係の権能が使えると分かっていたからな。
保険としていろいろ準備していたのだが、その辺が無駄になった……まあいいけど。
機体を[インベントリ]から取り出し、すぐさま搭乗。
街から出てくる星敵、その中でも三人を捉える。
そのうちの二人は街から出た瞬間、魔物へと姿を変える……外へ出ると自由なのか。
「さて、順番にな──『死闘の舞台』」
アイテムを起動すると、俺ともっとも先に辿り着いた星敵を包む結界が構築。
二、三番目の星敵たちが攻撃をしてもそれは壊せない──少なくとも今はな。
「おめでとうございます、貴方が一番です」
「……嵌められたな」
「おや、純粋に喜んではいただけなかったようですか」
「人数の選定に意味はあると思ったが、無策では無かったわけか。だが、星約のためにも貴様を狙わねばならん」
改めて、目の前の星敵について語ろう。
飛び出してきた三人の星敵──そして、魔物だったうち二体。
目の前の星敵こそ、唯一の人族。
人でありながら魔物たちを超え、圧倒的速度で俺の下へ辿り着いた強者。
服装は武闘家といった感じか。
ただ中華風ではなく、マッチョ系……上半身はタンクトップ風だし。
それ以外の特徴は何だろうか……軍服?
一番分かりやすいコートやらが無いから分かりづらいが、何となくそう思った。
「私は『生者』、そちらは?」
「──『修羅』。かつて、星を脅かせた大馬鹿者だ」
「……差し支えなければ、貴方様の願い事をお聞かせ願っても?」
「償いだ。故に、引き下がることはできないのだ──犠牲となってくれ、『生者』」
物凄い真面な人なのに星敵なのか。
構えるのは二丁拳銃、武闘世界出身なのかと思ったが……違うのか?
「ご出身は?」
「──アトランティス。今は失われた、そして取り戻す我が故郷だ」
「ッ!?」
アトランティス世界、その名に驚く俺へ向けられた弾丸が一発。
それは[アライバー]を『SEBAS』が動かして避けたのだが、それでも俺を貫く。
「……弾丸が、曲がった?」
アトランティス、それは豊富な資源を得て軍事力を高めたとされる大陸の名。
現実においては、元は神を祖とする存在で人として堕落した果てに失われたとされる。
こちらの世界においては違い、失われたのは彼の存在を内包する世界そのもの。
世界は失われようと、その技術は遺されたまま──その使い手こそが『修羅』だ。