監獄生活 その05
監獄生活 その05
決闘に横槍を入れる外部からの干渉。
訳ありな星敵『修羅』は、早急に俺を打ち倒すべく手札を開示する。
「──『限界突破』!」
「これはスキル……いや、違う!?」
「──疾ッ!」
宣言を終えた『修羅』の速度は、これまでとは格段に違っていた。
対応するように[アライバー]から弾丸を射出するが、そちらも紙一重で避けられる。
加えて──
「弾丸を、銃の側面で!?」
「やろうと思えば、できるものだ」
「何という理不尽な……!」
豆鉄砲サイズならまだしも、機体のサイズに合わせた特注サイズだというのに。
重みも半端ないはず、だがそれを感じさせない滑らかさで捌き、こちらへ近づく。
限界突破、それは創作物でも定番な制限を解除して強化を図る能力。
スキルにも実際それはあるし、名称は違えど『プログレス』にも存在する。
だがそういった類には特殊なエフェクトが発生するし、俺も違和感を覚えた。
アレは能力全般に通用するのだが……肉体のみに、今回のものは影響があるというか。
「──“限界突破”!」
「二重!? ……くっ、先ほどよりも凄まじくなりましたね!」
「……驚いた。動きと表情がこれほどまでに異なる者など、見たことが無い」
うん、俺では対処不能になっているので操縦は『SEBAS』によるフルオートだ。
これでやっと分かった、一回目はともかく二回目となる今回はスキルによるもの。
噴出されるエネルギーの奔流、これこそが限界突破をスキルとして発動させた証拠。
では一つ目は何なのか……おそらくだが、それは──
「アトランティスの技術でしょうか? 人体の限界を突破する、そんな機構もまた開発されていたと」
「正解だ。そして、それを知ったところで解除はできないぞ? このまま、押し切らせてもらう!」
だんだんと距離は縮められつつあり、肉弾戦がメインとなっていた。
そうなると、[アライバー]では対処しきれなくなる……さて、どうしたものやら。
「──[アライバー]、自立モード」
「!?」
「緊急脱出──『天閃腕』」
「くっ!」
なんて考えている暇も無いので即行動。
邪魔になっている[アライバー]から降りて、代わりに仙術(物理)をお見舞い。
普通なら通らないだろうが、驚かせつつ同時に[アライバー]が牽制することで成功。
肉体の性能ではなく、どちらかと言えば溜め込んでいた仙丹の出力で弾き飛ばす。
「卑怯とは言われても、二対一で押し切らせてもらいますよ」
「いや、そんなことは言わん。それでも私が勝つからな」
圧倒的な自信、それを持つことができるだけのナニカがあるわけだ。
警戒はどれだけしてもし足りない、時間はこちらの味方だ……粘り切ってやる。