監獄生活 その07
監獄生活 その07
どうにか『修羅』を撃退(?)した俺は、次なる星敵を迎え入れる。
順番はすでに確認済み……状況が状況であれば、次の相手が本来の一番なんだよな。
「──『死闘の舞台』」
展開中の『星護結界』の上から、重ねる形で再びデスマッチ用の結界を展開。
なお、元がPvP関連で得られたものだからか、対象を指定することも可能です。
『──』
そんなこんなで、見事対象のみを結界の内部へ引っ張り込むことに成功。
見た目は拳サイズの隕石みたいな球体、それが浮かんで発光している。
いちおう魔物という分類にはなるのか、その頭上(?)にはユニーク種系統の個体に表示される固有名が。
「『光天軌涯』……名前が表示されない。もしくは、無いのか?」
『──』
「反論は無し……と。人化をする過程で言語もインストールされているはずだし、会話が成立しないわけじゃないんだけどな」
そういう仕組みらしいが、詳細は不明。
ともあれ、こちらと仲良くしようという意思は無いのだろう……純粋に、厄介者として星敵認定された個体か。
「でも、何もしてこない? 違う、これはまさか──」
『♪』
しばらく動かなかった『光天軌涯』だったが、俺が一歩足を下げた途端に動き出す。
それはあまりにも一瞬、文字通り光の速さで成された。
「……うわぁ」
創作物でもファンタジーによくある、体が抉れるアレ。
相手が圧倒的強者だった場合の定番が、今まさに俺の身に体現していた。
流れ的にはこのまま倒れて死ぬのだが、俺の場合は直立不動で立ち尽くすだけ。
だからだろうか、『光天軌涯』は首を傾げるように軽く震え──再び俺を破壊する。
『! ♪』
「壊れない玩具を見つけた、やったー! みたいな感じだな。うん、『修羅』が一番最初だったから忘れてたな。星敵って、普通はヤバい個体だから封印されてるんだった」
そこから先はしばらく同じことが続く。
俺は何度も何度も殺され、その場で再構築し──そしてまた、穴が開いた状態に。
途中からはやり方を変え、胴体だけでなく四肢や頭部を狙った突貫も交えてくる。
無為な時間がひたすら続くが、その間にこちらもやれることはやっていた。
(心なしか、速度が上がっている気がするんだよな)
《ご明察の通り。『光天軌涯』にはどうやら速度による全体強化能力があるようです》
(速ければ速いほど強くなって、強くなった分だけ速くなると……永久機関だな、おい)
まあ、それだけの理不尽で無いとどこの世界でも倒し得る存在が居るだろう。
そうできないだけの強さを、無邪気な振る舞いとは別に持っているわけだ。