監獄生活 その11
監獄生活 その11
アイテムや『プログレス』を駆使し、限りなく『光天軌涯』の動きを封じた。
光量と速度による二重バフ、どちらかを封じただけでは意味を成さない面倒な仕様だ。
「さて、終わりにしますか」
『!!』
「砕けろ──“生危回壊”」
かつてジーヂーという休人が放った、彼のオリジナルの武技。
再現……では無く、『プログレス』を借りたとはいえ正規で獲得していた。
まあ、俺ではなく人形にインストールしたうえで、条件を満たしてもらっているが。
彼の『プログレス』を使い、同じ武技を開発してもらってから伝授されるという形だ。
そんなこんなで限りなく 模倣《パクリ》に近いオリジナル ? 武技を、『光天軌涯』へ放つ。
特殊な身力の流れが瞬間的に肉体を強化、強烈な打撃を叩き込む。
身に纏うグローブと拳帯が、更なる火力を拳に乗せた。
重ねた死の分、“孤独蟲毒”は能力値を高め──たった一撃、それですべてが終わる。
「討伐完了……本当に報酬は出ないんだな」
《お疲れ様でした》
「いやまあ、終わって無いんだけど……そうなんだよな、まだ次があるんだよな」
光の粒子となり消えていく『光天軌涯』を見ながら、そう呟く。
……街の方へ飛んでいくので、おそらくそちらで死に戻り扱いなのだろう。
死闘に次ぐ死闘。
普段よりも神経をすり減らしてやっているのだが、やはりクるものがある。
いちおう三人と絞ってはいるが、それはあくまで俺が言っただけ。
実際の所、この後がどうなっていくのか分かってもいない。
「っと、そうだった──『星護結界』」
先ほどと違い、相手が居なくなっても条件達成ということで『死闘の舞台』は消失。
だからこそ気を抜かず、すぐに結界を張るべきだったのだが……問題無かったようだ。
なぜなら俺の周囲には、すでに闇で構築された結界が展開されている。
その先の光景は見えないが、ドローンで確認……星敵たちが足止めされていた。
「エクリか……ご苦労様」
『お褒めいただき光栄です』
「うん、悪いがもう少し頼む。最後にもう一回やって、今回は終わりにするつもりだ」
『畏まりました、お任せください。闇で三位だった星敵のみを誘導します』
何だかんだ、最高傑作であるエクリは星敵に匹敵するレベルの性能が注がれている。
それでも、この結果は予想以上だ……すべては:DIY:と創造神様のお陰かな?
エクリの操作によって、俺の周囲に広がっていた闇が大きく形を歪める。
一瞬映った星敵たちの顔、辛そうだったのだが……見なかったことにしよう。
そうして誘導され、現れた最後の星敵。
俺は向こうが手を打つ前に、先ほどまでと同じく『死闘の舞台』を展開するのだった。