監獄生活 その17
監獄生活 その17
スライム(ドロドロ)となった獣。
とりあえずそのナニカに対して、凍らせたり燃やしたりといろいろと試してみる。
「たしか、熱攻撃には二種類あるんだよな」
《はい。外側と内側、やり方によっては耐性能力を突破することも可能です》
「今回は火力で強行突破したけど、火への対策も取ってきそうだしな……内側からも、いちおう試してみるか」
現在星剣から放たれているのは、星の血とも呼ばれる灼熱のマグマ。
文字通り火力が桁違いだったのだが、他のやり方も試してみる。
念じるだけで選別されるエネルギー。
いったん純粋な星の力に戻った後、再び指定した自然概念を──バチバチと空気を焼き焦がす力を秘めていく。
「ギガントな……ブレイク!」
俺のやりたいことを察して、結界を操り理想のポーズを取ってくれる『SEBAS』。
同時に星剣[虚膨]が、そして纏うエネルギーが膨らんで──周囲を一掃する。
「効果は…………無いか」
『■■(ドロドロ)』
「そこはプルプルと震えてほしかったんだけどな……まあいいや。出力の方を心配していたんだけど、全然ピンピンしてやがる」
《電気熱そのものは効果を出していますが、純粋な再生能力で無効化されています。マグマの熱同様、出力によるごり押しとしては効果を出していると言えましょう》
本来の目論見に関しては、あまり上手くはいっていないだろう。
……まあ、ロマンな技を出せたので満足はできたけれど。
一方のナニカはどんどん分裂を繰り返し、場所を確保し続けていた。
先ほど試した通り、本体分裂体も弱点と思わしき属性であれば排除できる。
なので先ほどのギガ……ントなブレイクの一撃である程度消したが、その分も再び増やしているのが現状だ。
ギガ……ントなスラッシュなどをしてチマチマ排除をしているが、正直根本的な対処はできていない。
「通用すればいいが……『ベストペスト』、そして“ウルスウィルス”」
針型の『プログレス』がその手に顕現すると、すぐにナニカへ近づきソレを突き刺す。
それを振り払うように俺を突き飛ばすが、針の中身はしっかり内部へ浸透した。
刺されたのは分裂体から分裂した個体だったが、だんだん様子がおかしくなる。
……いやまあドロドロ系のスライムだし、実際どうなのかは分からないのだが。
《──旦那様、いくつかの症例が確認されました》
「よし、なら始めよう。手段は問わない、むしろそうじゃないと勝てないだろう」
ともあれ、発症そのものは確認できた。
ならば充分……異形の怪物よ、人間の執念に敗北しろ。