監獄生活 その24
監獄生活 その24
エクリに街へ行ってもらい、その光景を共有するという方法を取った俺。
ただし、バレていないわけはなく……エクリは注目の的のようだ。
「それでも、接触はしてこないんだよな」
《牽制が星敵たちの間で行われている結果でしょう。エクリへ向けられる視線の他にも、他の星敵たちへ魔力の籠もった視線が走っているようです》
周囲を観測しているドローンには、通常の光景だけでなく魔力の流れを観測する特殊なレンズを仕込んだ物も混ぜてある。
そちらの映像も一瞬見せてもらったが、かなりの量の魔力線(仮)が飛び交っていた。
エクリに向けられている数はとんでもないが、それなりの数が周囲にも。
そしてその線を追いかけてみれば、ほとんどに生命体の反応が。
最初は気づいていなかった者でも、周りが注目していれば気になるのは当然だろう。
「しかし、星敵たちが店をやっているっていうのは何とも違和感があるな」
《必要な知識は与えられておりますので、不可能では無いのでしょう。また、彼らには違和感を感じます》
「違和感? まあ、中には真面目にやっているヤツもいるかもしれないけど、普通は犯罪者連中だしおかしい……のか?」
『たしかに、違和感はございますね。視線以外の方法で、こちらへ干渉しようとする者がおりません。加えて、視線の目的もただ攻撃するのではなく……そう、自分の居る場所へ誘導するかのよう』
ただ外部から眺めているだけの俺には分からない、生の感覚をエクリが教えてくれる。
誘導、つまり街内部の非戦闘に関する制約のようなナニカがまだあるわけだ。
俺にはその情報が与えられなかった以上、何らかの形でそれを知る必要がある。
街、という形を取っている以上、合法的に探す手段は限られていた。
「──エクリ、情報屋を探してくれ。あるいは酒場を」
◆ □ ◆ □ ◆
残念ながら情報屋は見つからなかったものの、酒場に関してはやはり存在。
……まあ、タクマが居るので居て当然のように考えていたのが不味かったか。
「うーん、酒場は盛り上がっているな。ここはある程度制約が薄いのか? ……だから、こんなにも血気盛んな可能性も有るし」
『これでよろしかったのでしょうか?』
「ああ、挑んできた方が悪い」
現在、酒場の席に座るエクリの周辺には大量の客が倒れている。
全員星敵だし、そもそもエクリを襲ってきたからこその対処だ。
『──創者様』
「ああ、分かっている……周りに伝わらないように、アポを取ってくれ」
『畏まりました』
闇を使い魔のように操り、エクリはある場所へそれを送り込む。
そこには一人の星敵が座っていて……この選択が吉と出るか凶と出るか。