脱獄計画 その03
脱獄計画 その03
エクリを操縦して迷宮『邪悪深殿』へ。
観測に努めていただが、天井に張り付いていた俺を魔物が狙ってきた──名状しがたい形状で、黒い靄を漂わせながら。
「あの神話体系って、まともなやり方をしているイメージが無いんだよな……少なくともこれは、単純に乗っ取ったわけじゃないし」
『■■■!』
単純なスペックで言えば、初日に襲ってきた獣の方が圧倒的に強い。
だが、こちらは侵略者の靄を纏っている影響なのか精神干渉が厄介……なんだとか。
実際の所、それ自体はエクリのスペックの高さが無効化している。
また、防衛機構なども備えているので、仮に問題が発生しても自動復帰が可能だ。
「さて、戦闘をしようか──“万物闇換”」
あらゆる物を闇へ、そして闇を物質に変換するエクリのチートスキル。
それを使用して行うのは、エクリから生み出される闇の物質化。
イメージは銃、だが律儀に 外側 じつぶつ を用意する必要は無い。
指を曲げ、親指と人差し指のみを伸ばして構える──それはまさに指鉄砲。
人差し指で照準を合わせる。
その先に闇が集まっていき、それが礫のようになっていく。
「それを──はい、二丁分」
闇の弾丸が左右の手から放たれ、どんどん侵略者憑きの異形を撃つ。
周囲の闇を集めて弾丸を自動生成すれば、必中レベルで命中していく。
これもまた、エクリが擬似スキルとして銃術を登録してくれていたお陰だ。
俺はある程度対象の指定さえできれば、ブレなどを擬似スキルの方で調整してくれる。
『■■■!』
「『アップ・ロード:バレットパレット』」
エクリ固有の『プログレス』によって、他者の『プログレス』を再現。
射出し続けていた闇色の弾丸に、色とりどりの属性が付与されていく。
弾丸への属性付与、それによって異形に対する適した属性を識別。
……なお、元の属性自体は変わらないので二重で属性攻撃を当てることができる。
「やっぱり、光……というか聖属性が弱点になるよな。元からそんな感じだし、別に良いけど。でも、それならそれでどっちが通用するか試せるな──“闇点発露”」
闇属性を強制的に弱点とする能力。
そのうえで、闇属性の適性が最大に近いエクリが放つ闇属性の攻撃なので本来であればかなりダメージを発生させられる。
「じゃあ、闇と黒色の弾丸で……もっと色が黒くなったな。よし、じゃあこれに加えてアレも──“術式装填・千変宝珠”」
生み出す弾丸は闇その物、塗る属性は闇を帯びた黒、そしてそこに付与する闇の性質が与えられた魔力の術式。
それを勢いよく放つと──異形は一瞬で弾け飛んだ。