脱獄計画 その24
脱獄計画 その24
穴に落としたら登ってきたので、スコップで土を掬って埋めてみる。
一度に戻す量がそれなりのため、抵抗しようと抗えず……埋もれていった。
「ふぅ……これぐらいでいいかな?」
一仕事終え、何となく感じる達成感。
どんな内容であれ、人は仕事を終えるとふとそんな感覚に包まれるものだ……まあ、ある意味人殺しをしていても。
『──んにゃろう!』
「…………っと」
『チッ、いったいどこだ! 絶対さっきのが例の休人だろ!』
そんな中、遠く──少なくとも地上──で先ほどまで聞いていた声がここまで届く。
声色だけでその憤怒っぷりが分かるそれを聞き、俺はいつものように死にながら思う。
「これで目的は達成しているだろうに……会う気は無いけどさ」
《隠密行動用のプログラムを展開します》
光学迷彩、『インビジブルクローク』などの身を隠すための道具や技術を同時発動。
それらを行うプログラムを、編んでくれているのだ。
まあ、それはそれで起動するすべての条件が満たされていないと、他も起動できなくなる場合があるのだが……『SEBAS』なのでそこは問題なく済ませてあるらしい。
《旦那様、休人が風魔法による広域索敵を発動──星敵たちが攻撃を開始しました》
「……まあうん、そりゃあそうなるよな」
風魔法で周囲を探る、それ自体は割とありふれたやり方だ。
周囲に自身の操作する風を放ち、触れた相手の位置情報を掴める。
……だがそれを受けた相手からすれば、探られているため大変不快なわけで。
つまり挑発行為と受け止められ、その迎撃は街において合法とされている。
嫌ならやらなければいいわけだし、さらに言うとバレなければいい。
もっとも、星敵というヤバすぎる連中を相手に、隠し事ができるならばという前提で。
「さて、しばらくはあそこでやられたい放題だろうからいいとして……すでに個々の情報は、もうばら撒かれたんだろうな」
ここに戻ってきたということは、外部でやるべきことは済ませたというわけで。
詳細過ぎる情報はカットされるにせよ、星敵がたくさん居ることぐらいは割れたはず。
そうなると、報酬目当てで集まってくる星敵もたくさん居るだろう。
言うなればここは秘境、価値ある生きた資源が大量に存在するわけで。
「最初はともかく、時間とともに休人はどんどん強くなるからな……レベル的にも、積んだ経験的にも」
死に覚えする厄介な連中を相手に、未来永劫勝利し続けるという確信はない。
盛者必衰、それが当て嵌まらない唯一の集団……それが休人という存在なのだから。