脱獄開始 その19
脱獄開始 その19
混沌の使徒の手駒となった星敵、そして使徒の残滓を相手取ることになった俺たち。
さっそく俺が狙われたのだが、そこは味方の一人である『修羅』が助けてくれた。
「始めますよ──『フラッグフラグ』」
今回は俺が前線で戦う必要はないので、支援に特化した『プログレス』を拝借する。
それは【革命英雄】が発現させたもので、運命操作や行動の成功率に支援を行えた。
「『SEBAS』、集団支援を切らさないようにやってくれ」
《畏まりました──起動開始》
後ろで旗を振り、味方である星敵たちに施していく範囲バフ。
支援系の魔法職【支援術師】、他にもいくつか存在している。
それらを同時に起動しつつ、覚えているというか職業能力に付随していた支援魔法を発動していく──魔法の効果はそこまで長くはないが、切らすことなく掛けていく。
魔法は各能力値を一つずつ強化するもの、同時に複数を強化するものを同時に送れる。
そのうえで個人用のものと全体用のものとで使い分けられるため、合計四つが可能だ。
「支援系も試していて正解だったな……アレの検証は正直面倒だったし」
かつて、就いている職業のレベリングをする際に必要だったので試していた。
迷宮の設定を弄り、魔物を味方とした状態で支援を施し続けた結果判明した情報だ。
もちろん、どのタイミングでどの術式が使えなくなり、次に使うにはどれくらい必要となり、またその間に使う術式は……と意外と大変な支援術師。
だがまあ、俺には『SEBAS』が居るので問題なく行える。
切らすことなくバフを掛けられるし、相手が無効化してきてもすぐに対応可能。
ある意味理想的な支援術師だ…………俺はただ、ポーションを摂取して足りなくなった魔力を補給するだけの簡単なお仕事。
「……だったら良かったのですが。まあ、こうなりますよね!」
『■■■……!』
「──すまない、足止めされている」
「ええ、そちらはそちらで対処を。これは私が時間を稼ぎます!」
星敵は星敵たちが抑えているのだが、混沌の使徒の手勢が増えて圧してきた。
その一部が俺の下に辿り着き、攻撃してくるのでそれを旗で受ける。
旗は『プログレス』製なので丈夫だが、決して不壊というわけではない。
破壊されれば今の支援バフが切れるので、それだけは免れねば。
「とりあえず……“スパイラルフラグ”」
旗が独りでに丸まり、穂先が鋭い槍のようになった。
これで支援の効果はそのままに、槍としても扱うことができる。
とはいえ、あることに“神持祈祷”も使用しているので激しい動きはできない。
本当にできるのは時間稼ぎ程度、長くはもたないぞ?