脱獄完了 その09
脱獄完了 その09
休人だらけとなった滅亡世界は、物凄い速さで復興が進んでいる。
幸いにして、休人の機能とも呼ぶべきものがあるお陰で、満員にはならないからな。
「先んじてツクル様に教えておいてもらって良かったです! わたし、さすがにこれだけの人数を捌き切るのはできませんでした!」
「ええ、それは良かった。ただ、前にも言ったように、まったく顔を出さないのも良くはありません。節目節目、彼らの成功を共に祝う。ただ見ているのではなく、協力して作業していると感じさせる……これが重要です」
俺もここまでの人数は想定していなかったのだが、少女の口から俺に関する情報が露呈しないように極力顔を出さないよう、情報をばら撒く前に伝えておいた。
アイスプルでもワールドクエスト関連の設定を見ることができ、たとえ姿を見せずとも[クエスト]が発行されるように星の設定を弄ってもらっている。
ただし、ワールドクエスト全体として進展があった場合などは、顔を出して彼らに礼を言うことも伝えておいた。
本体ではなくホログラムのような姿での登場だが、男の大半と可愛いモノが好きな女性などは、星の意思である少女の類い稀なる容姿でほぼイチコロだからな。
閑話休題 バーチャルライフ
そんなこんなで、休人たちはそれぞれの目的のためにこの星を蘇らせようとしている。
小規模ながら作られた施設の数々も、彼らに与えられた[クエスト]の影響のはず。
試しに[クエスト]画面を操作して確認してみれば、他の世界であれば存在するような施設の作る指令がいくつも見受けられ──
「──ってあれ、知らないモノがいくつかありますね? まだ造られていないみたいですが……」
「どれのことですか?」
「えっと、この『■■■■』と伏字になっている施設ですね」
「あー、それですか。それはですね、何も決まっていない施設です!」
「……説明していただけますか?」
少女によると、どうやら他の星にしかない施設を限定的に用意したいそうで。
これは休人たちの元の活動惑星に合わせ、それぞれ発注されているらしい。
要するに、魔導世界であれば例の術式を改良するための施設を作らせようという試み。
完全にはできないだろうが、部分的に──つまり弱めの術式なら改良可能になるのだ。
当然、彼らの秘匿技術に口出しをする関係で反発が起きている現状。
だが星々はこの星に対し、とんでもない借りがある──うん、監獄だな。
危険人物を押し込んでいるだけでなく、蟲毒の要領で他の世界の負の部分をすでに注ぎ込んでいる──それを回収するのはほぼ不可能なので、確実に貸借となる。
今は渋って条件を出している状態だが、休人たちのこういった時の飽くなき挑戦は凄まじいからな──そう遠くない未来、すべての星の技術がここに集まるはずだ。