やらかしの海
やらかしの海
アイスプル 南 海
星全体の状況を調べていたら、海に問題があることが発覚。
どうやら魔物が精霊と『プログレス』の力にはしゃぎ、やらかしてしまったようだ。
「さて、ここが現場か……うん、絶対間違いないなこれ」
転移してきた俺を迎えるのは、一面に広がる海……だが明らかに違う。
本来、深海に居るはずの魚型の魔物が陸に打ち上げられているのが多々見えた。
「えっと、『サブマリン』だっけ? どうして潜水っぽい能力でそうなるんだ?」
《発現された『サブマリン』は、『もう一つの海』という意味を持ち合わせていました。干渉できる範囲の水分を海に替える、また海の変質や入れ替えなどもできるようです》
「…………とんでもないな、『真海の主』もびっくりな能力だな」
《干渉に関する補正が一切存在せず、それゆえに自身の周りと数メートルまでが限界だったのですが──海属性の精霊と契約を交わしたことで、変化が生じました》
精霊という存在は、基本的に自らが担当する属性においてかなり優れた性能を持つ。
上位の精霊ならば同属性の無効化や吸収ができるし、一方的な破棄だって可能だ。
今回魔物と契約した精霊は下級で、それはできずとも人や魔物が本来干渉できる範囲以上に海への干渉が可能とのこと。
──なお、魔物たちはアイスプルの住民ということでかなり『プログレス』を強化しており、マスター系でなくとも擬似権能と呼ぶに相応しい力を発揮できる
能力の把握はしていなかったが……今回のことで少々改める気でいた。
俺にもメリットはあるし、インストールの方なら無制限で使えるからな。
「で、纏めるとだ。今回の問題は海の層が入れ替えられたことで発生したこと、まだ完全に扱いきれない精霊の補助もあってできたことだから、当人というか当魔物でも直せなくなってしまったこと……でいいのか?」
《はい、その通りです》
「……ふー、しょうがないな。これって、管理画面からどうにかできることか?」
《可能です。ですが、大規模な改変を行うとSPの消費が激しくなってしまいます》
「どれくらいだ…………おおっ、それなりのお値段だな。仕方ない、自力だな」
現在、いろいろと入用になっているSPの消費は極力下げる方向でいる。
また、お金による干渉はこういった場合は使えないので、自力でやるしかない。
「管理者権限で俺の干渉を最優先にして、そのうえで『サブマリン』をインストール、精霊は……『SEBAS』、補助頼むぞ」
《畏まりました》
やらかした魔物は乱雑に掻き混ぜたが、俺たちの場合元の状態にぴったり戻さなければ生態系が狂ってしまう……そんな作業がすぐ終わるはずもなく、時間が掛かるわけだな。