第二の箱庭 その04
第二の箱庭 その04
インフレ・オブ・インフレ。
遺製具 レリック で固有種の能力をそのまんま使えるようになった俺が生み出した、とんでも人造固有種の透視……じゃない、盗視が炸裂。
結果、休人たちが原人相手に秘匿している情報を空から一方的に観察できた。
……なお、俺が個人的に見ようとしたら情報量に耐えられずに頭がポーンである。
そういったデメリットがあるからこそ、成立している仕組み。
つまり、『SEBAS』が居なければ扱うこともできないリスキーな力である。
「さて、と。あそこまで厳重に入り口を封鎖しているとなると……その先に行くのは、ちと面倒なんだよな。これ、向こう側は?」
《帝国側には巧妙に隠しているようで、未だに箱庭のことは露見していない模様》
「了解。となると、手を組んで襲撃……流れに乗じてっていうプランは無しだな。やるならシンプルに、真っ向から行きますか」
ずっと空の上、というのも退屈だ。
勘のいい者ならばそろそろ気づくかもしれないので、行動に打って出ることにする。
「使うのはまあ、いつも通り『インビジブルクローク』に加えて……『イッスンボウシ』にするか」
それぞれ腕に宝石を嵌め込み、女神に祈ることで俺自身のモノではない願望の力を擬似的に使えるようにした。
展開すると同時、外套と帽子が顕現して自動的に装備状態になる。
重ねて効果も発動して、その姿が見えなくなる──システム的にも物理的にも。
認識されない間、システム的に見つけられなくなる『インビジブルクローク』。
物理的に小さくなることで、姿を捉えづらくする『イッスンボウシ』。
それらを組み合わせ、行うのが休人たちに見つからないで箱庭に入ること。
まあ、見つかったらその時はその時──最悪有耶無耶にしてどうにかしよう。
◆ □ ◆ □ ◆
「──すぐに保全班に連絡を! くそっ、あの野郎! 発破物とかどうやって持ち込んだよちくしょう!」
さて、ある休人(偉い立場)の怒鳴り声で状況は理解できただろうか。
堂々と潜り込み、箱庭へ向かおうとしたが失敗した俺は内部の爆破を実行した。
「通達! ホシは探知や看破無効で小人! いいか、絶対に逃がすなよ! 逃がしたらしばらく給料無しだと思え!」
『おうっ!』
可哀そうなことに、ここの警護を担当する休人たちの給料がしばらく無くなってしまうようだ……お悔みの意は、後で換金アイテムでもばら撒くことで済ませておこうか。
「どうしてこうなった…………って回想はいいや、さっさと行こう」
そんな俺が居るのは、箱庭のすぐ近く。
誰にも咎められることなく──天井に張り付いていた俺は、そのまま奥へと進んでいくのだった。