第二の箱庭 その11
第二の箱庭 その11
魔術で身を潜めながら、施設内を進む。
どうやら『魔道機盤』を用いない、魔術などに彼らの技術は弱いらしい……機械化が発展した後のオカルト扱いかな?
「──ここだ、『情報管制室』」
《解析完了──施錠解除、扉を動かします》
辿り着いたそこは、ごく一部の者しか入ることができない情報を集めている部屋。
少なくとも、この施設の中ならば一番厳重に取り扱われていることだろう。
そんな部屋なので、入り口のロックも厳重にされていた。
……それを『SEBAS』が解除し、俺を中に迎え入れる。
「うーん。全部『魔動機盤』を前提とした管理になっているのか…………どうする?」
《情報の吸い出しを実行します。旦那様、あちらの情報端子に差し込みを》
「あー、これね。了解っと」
USBにも似た端子の部分に、スライムをベースに構築されたソレを差し込む。
目の前の端子の形状に合わせ、勝手に形が変わったソレは目的通りの役目を果たす。
《接続完了。情報演算法則同期──完了、全体のデータの複製を実行します》
今、俺にはまったく分からない速度で情報の回収が行われている。
立つ鳥跡を濁さず、ということで奪うのではなく複製なので時間は掛かるそうだが。
人が読めないぐらい情報の圧縮し、データ量を軽くしているとは聞いたことがある。
理屈はうん、全然分からないが早いに越したことは無い──こんなこともあるし。
「純粋な機械……か?」
《あえて、『魔動機盤』への対策として置かれているのかもしれません》
「まあ、何でもいい。とりあえず、俺がしばらく壁になればいいんだろう?」
《お手数をお掛けします》
部屋のあちこちから、ドローンやら四足歩行の機械が次々と出現。
向かう先には俺、というか俺が差し込んでいる情報端子が存在する。
情報戦で敗れ、物理的な排除に動いたと思われる……『SEBAS』はやり手だしな。
一歩前に立ちはだかり、手を前に出す──その手には機械仕掛けの籠手が着いている。
「『オールコントローラー』」
名前は『機械帝の手腕』、触れた機械を自在にハッキングできる代物。
加えて、そこに『プログレス:オールコントローラー』を取り付けて強化を図った。
結果、触れずとも影響下に入った機械であれば支配できるようになる。
まあ、ハッキングが成功しないとそれはできないのだが……大半は成功した。
「純粋な機械が相手なら、な。ちょっとだけ混ぜてあったか──潰せ」
機械に命じると、方向を変えて支配下に無い機体に向けて射撃を行う。
だが、その機体は魔力の障壁を展開してそれを無効化している……面倒だな。