第二の箱庭 その12
第二の箱庭 その12
情報を求めてそれっぽい部屋に侵入。
配備されていた機械を支配したが、それに抗う『魔動機盤』付きの機械たち。
「──潰せ」
操れている純粋な機械群を操作し、そうではない機械たちを壊すよう指示を出す。
それに従い、本来俺に向けるはずの銃弾や高電圧ロッドが魔力仕掛けの機械に飛ぶ。
「…………意外といい勝負になってるな」
《この部屋の警備を『魔動機盤』無しで行える程度には、性能が高いのでしょう。本来であれば、侵入者諸共『魔動機盤』を使えなくしたうえで鎮圧するための機械。むしろ、対等に戦えている方が驚きかもしれません》
「まあ、そもそも戦わせていること自体、本来ならありえないんだろうけどな……さすがはメイド・バイ・俺なアイテムだ」
触れた機械を、そして今では触れずとも一定の距離にある機械ならばハッキングすることができる『 機械帝の手腕 ロード・オブ・メカニクル 』。
それにより、かなり高度なセキュリティが施されているであろう機械たちもあっさりと支配下に収めることができた。
「……機械とはいえ、表面に何もしていないわけないか。うん、撥魔性は十分だな」
物理攻撃を果敢に繰り返す機械たちに対して、『魔動機盤』付きが行ったのは魔法のようなナニカ。
ショートさせるためか電気を迸らせ、機械に向けて次々と放っていった。
が、そちらもそちらで侵入者がやりそうな手だからだろう、普通に防いで対応する。
気になるのはその際、機械の表面で魔力が若干掻き乱れていた点。
おそらくそれこそが、純粋な機械用に搭載された対魔力の仕込みなのだろう。
「結局のところ、数が物を言うような気がするが……ちょいと手助けをしてみたらどうなるかな──“ 修復 リペア ”」
生産職は大半が解放済みな【救星者】。
そちらは常駐化も済ませており、取り揃えもかなり豊富だ。
今回使ったのは【整備士】系統の職業であれば、誰でも使える“修復”。
耐久度に加え、損傷を少しだけ回復することができる応急処置のような能力だ。
ただし、今回使ったのは【整備士】系統の能力が重ね掛けされたうえ、“職業強化”により更なる補助が付いた“修復”。
普通よりも高い性能を発揮し、単体相手の所を複数同時に回復させていく。
結果、『魔動機盤』付きの機械との差は圧倒的になり──支配した機械が勝利する。
「あーうん、やり過ぎたかな……とりあえず回収だな──“ 窃盗懐 スティールポケット ”」
勝利した機械をそのままにしておくわけにもいかず、片づけることに。
ただし、俺は支配しているだけで機械を所有しているわけではない。
ここで使うのは、【見習い盗賊】を経て手に入れた職業能力“窃盗懐”。
入れられる数は少ないが、所有権を持っていなくても中にアイテムを入れられる。
「そして拡張──『シーフストア』っと」
機械を全部入れるのには足りなかったその枠を、『プログレス』で拡張する。
盗んだ物を保管しておきたい、ある使用者の願いが職業システムと重なった結果だ。
今回使うのは、窃盗品の保管枠を増やす機能だが他にもいくつか能力が存在する。
……たとえ能力が犯罪向きでも、当人の願いを叶える──それが『プログレス』だ。