第二の箱庭 その30
第二の箱庭 その30
ターミナルの最下層にて、相対するのは光り輝く宝珠。
人知を超えた代物、巨大なソレはまるで生きているかのように光量が変化している。
「まあ、実際に生きているわけですけど……気になるのは核と繋げられているケーブルですね。人はどんな場所でも、変わらず欲深いということかもしれませんね」
星のエネルギーを吸い上げ、自分たちの文明を維持するために用いているのだろう。
管理者はそれをあえて見逃し、彼らを見守り続けた……これまでは。
休人たちの参入により、現状に違和感を覚える者たちが現れたらしい。
そして今回の試練、いったいこれから何が起こるのかわくわくである。
「『機械帝の手腕』、ハッキング開始」
──まあそれはそれとして、俺は俺でやるべきことをやる。
部屋一面に機械が敷き詰められているこの空間、なのでどこに触れても機能するのだ。
あらゆる機械(魔動機盤含む)に干渉できる手甲の力で、この場を掌握していく。
理屈? …………まあ、『SEBAS』が何でもやってくれています。
《抵抗が激しいですね。旦那様、一部変更をお願いできますでしょうか?》
「ああ、サクッとやってくれ」
《畏まりました──“無限系統樹”発動、職業を変更します。続いて[称号]を変更、対機械用に切り替えます》
なんだかこういったことばかりやっているせいかお陰か、機械を乗っ取ることに特化した[称号]をいくつか持っている俺。
前回来た時に使っていた職業に加えて、そういった少々合法なのか分からなくなるような[称号]も付けてのハッキングタイム。
「…………まあ、俺は何もしないけど。さてさて、休人たちは何をしているかなー」
作業は『SEBAS』にお任せして、俺は[掲示板]で情報収集。
試練に挑んでいた休人たちだが……ふむふむ、試練そのものは上手くいったらしい。
だがその直後、魔工機士たちが乱入してきてのてんやわんやの大盛り上がり。
管理者の指示に従いつつ、その場からの脱出を図っているとのこと。
「大変そうだな……『SEBAS』、ここから何かできることは?」
《現状のハッキング率ですと、魔工機士の優先回線の遮断が限界かと》
「……よく分からんが、じゃあそれで」
《畏まりました》
それからしばらく、突然魔工機士たちの動きが鈍ったとかで休人たちは逃げ切ることに成功したらしい……これから先、彼らはどのように扱われ、何を目指していくのやら。
──それより何より、ここを占拠している俺の方もいろいろ考えないとな。