機械箱庭 その13
機械箱庭 その13
時を停める『プログレス』×2、そして影の遺製具で再び魔工機士たちを追い返した。 真っ向からの勝負なんて御免なので、嵌め技で振り出しに戻ってもらったよ。
「キャストリセット、上手くいってくれてよかったよ」
今回、“オールストップ”を使ったのは三回だが、本来はキャストタイムの問題で連続して使うことはできなかった。
ならばどうやったのか──答えは簡単、より速く再使用できる“神持祈禱”で一度使用した『プログレス』を解除し、再登録して発動したのだ。
まあ、普通なら意味の無い行為である。
たとえ解除しても再使用に必要な時間が変わるわけでは無いのだから──そう、普通ならばな。
俺が持つ女神プログレスの庇護、これは彼女にもたらされる信仰心の度合いによって追加で効果が増える。
最近増えたその効果こそ、“神持祈禱”の使用による再使用時間の短縮。
要するに、切り替えれば切り替えるほど一度使った『プログレス』をまた使えるのだ。
注意すべきは“神持祈禱”そのもののキャストタイムが、まったく変わらない点。
まあ、これはこれで聖職者系の職業をある程度習熟させれば問題にならなくなる。
「ずいぶんと有名な神様になったよな……」
《やはり、『プログレス』という実在している品に関する神だからでしょう。何より、概念や武器、属性などの神々と違い明確にコレといった信仰先があるからこそ、女神プログレスが確固たる存在となったのでしょう》
なお、より具体的な女神プログレス像を抱いてもらうため、『SEBAS』経由で有名な絵師様たちに依頼をして、いろいろ描いてもらっていたりする。
グッズなんかもバッチリ売れていて、実はアイスプルの一大産業を担って……と、今は置いておくとしよう。
「『SEBAS』、できたか?」
《はい。ここで行われた干渉の影響は、可能な限り元に戻せたかと。残った部分も管理者自身が修正可能な範囲です》
「──ん、どうやらそうみたいだな」
ここでの会話の直後、[掲示板]に広まる箱庭解放の情報群。
……ついでに、俺の方でも[称号]獲得のアナウンスがちらほらと。
「もう用は無いし、あとは帰るだけだが……少しばかり、話をしていきましょうかね」
「──こりゃあ、いったい」
「三往復ですか、お疲れ様です」
「なに、毎度毎度帰りはすぐだったからそんなに歩いちゃいねぇよ」
「そうですか。では、これからの貴方がたについてご相談を。魔工機士の総隊長様、それに副官様もどうぞお席に」
ここには何も無かったので、指を鳴らして([インベントリ]から)ソファを配置。
箱庭が解放されることによる利益不利益、そこをきちんと伝えておかないとな。