機械箱庭 その14
機械箱庭 その14
休人たちが箱庭の解放に盛り上がる中、俺は一人話し合いの席を整えていた。
対するのは魔工機士の二人──お偉い様、総隊長と副官である。
「……ああ、そうでしたね。最下層の封鎖ですが、今解除しておきました。そちらの方でご確認をお願いします」
「────本当のようです」
「おいおい、上も下もお前さんの仕業か。こりゃあ世紀の大犯罪者じゃあ、事足りねぇぐらいの極悪人だな」
「あはははっ、恐縮です。やり方が非道だったこと、それは認めましょう。すでにこの身は牢獄に一度は収容されています。まあ、脱獄しましたがね」
ちなみに、休人は牢獄に収容された後に脱獄しても、普通に犯罪歴はリセットされないので要注意──脱獄した直後に不意打ちで殺されたら、また牢獄からやり直しだ。
「……やっぱ、今捕まえとこっか?」
「総隊長、休人の方々は殺されると自動的に監獄に収容されるようですよ」
「んじゃあ、捕縛は難しいだろうしいっそ殺した方が──」
「話を、本題に戻しましょう。箱庭の解放、それが何を意味するかについて」
このままだとまた監獄に戻ることになりそうだったので、強引に話題を戻す。
休人の行いによる管理者の試練突破、そしてそれに伴う箱庭の解放──その変化。
「一番大きな点は、皆さんもあのゲートを通じて休人が来ている世界を訪れることができるようになった点です。一方的に足元を見られていた点、払拭できるやもしれませんね」
「……なんつーか、面倒になりそうだな」
「はい。個々での取引や休人からの買取などは行われておりましたが、規模が大きくなりますと……失礼ですが、何か証明できる物はございませんか? こちらには無く、そちらにしか無い物を」
「うーん、大半は先んじて休人が出しているでしょうし…………ああそうだ、こちらの資料をお読みください。先ほどの話の続き、利益不利益などについて纏めたうえで、私どもで提供可能な交易品が書かれています」
総隊長がなんだか面倒臭そうな顔をしているので、事務職は副官がメインなのだろう。
それでも資料を二人で読み……だんだん、じっくりと読み耽りだす。
「職業システムねぇ……つまり、誰でも一度外に出てソレを使えば力を手に入れられるわけか。ほぉ、休人どもが俺たちを無職だって言ってたのはつまりこれのことか」
「蘇生薬に万能薬? どんな魔動でも不可能はあったというのに、そんな物が実在するはずが……」
「ああ、それでしたらこちらにサンプルが。それぞれ一本ずつ、死後一時間以内ならば基本確実に蘇生可能な蘇生薬と、ありとあらゆる病や状態異常を治し、そのうえ一定時間はそれらにならなくなる万能薬です」
「「…………」」
うん、休人たちが持っている蘇生薬と万能薬を作って(薄めて)いるの、俺だしな。
お近づきの印にということで、今回は純正品をプレゼントさ。