現状報告 その10
現状報告 その10
瑠璃の仕込みにより、プロジェクターに投影されたアズル+騎士団VS邪神(仮)。
縛りを受けた邪神の軽率な行いにより、床が崩壊してそこに落ちていった。
「でも、これで終わりじゃないのよ」
「瘴気は無駄だと判断して、オフにして登ってきたのか。飛べない状況なんて経験してないからか、ちょっと不格好だな」
映像の中のアズルが光を眼下に灯すと、理解不能な叫びと共に登る邪神の姿が。
ただし、飛び上がるわけでも浮遊するわけでもなく、壁に四肢を刺し登っていた。
瘴気が辺りに立ち込めていないからか、壁に触れていてもそれが朽ち果ててはいない。
ゆっくりと近づいてくる邪神に対し、アズルたちは──全力で迎撃を行った。
「……うわぁ、容赦ない」
「まあでも、これが順当よね」
子供たちの言う通り、登ってくるのであればそれを叩き落とすのがベストである。
もともとの教団の目的は、戦争の終結とその原因の排除──邪神がすべての元凶だ。
登ってくるのを防げるし、落ちれば墜落分のダメージが勝手に蓄積していく。
倒せれば良し、そうでなくとも弱らせればどうにかなると騎士団は知っている。
「ここからがちょっと長いのよ……先に進めてくれる?」
《畏まりました》
「向こうもできることが少なかったから、これがずっと続いたわ。嵌め技、みたいな感じよね。これ、後で修正されるのかしら?」
「どうだろうな……あくまでも、瑠璃たちが能力を封じることに成功したからこそって感じだろう? 床の消失も想定内なら、そこは変更無しなんじゃないか?」
おそらく、床が消えた後に休人たちは落下に備えていろいろと行う。
その後、落ちた先で本当の戦いが……みたいな展開だったように思われる。
だがそれを瑠璃が浮遊で対処、敵が居ないので邪神は上に行く必要が生まれた。
攻撃も遠距離のものは結界があっさりと防ぐので、近づくしか攻撃手段は無い。
すべては、瑠璃が現人神として信仰を奪いつつ神聖な力を操れるからこそ。
何より、絶対的なレベルの幸運が邪神の力の尽くを封じていたからだな。
「私たちにはアナタが用意してくれた回復アイテムがたくさんあったから、どれだけ粘っても尽きなかったし。これが最後の戦いだからって周りに協力を仰いだから、途中で帰ることもできなかったのよね」
そんな軽い理由で、戦い続けることゲーム時間内で一日ほど。
邪神は結局、瑠璃たちに手を届かせることなく──その動きを停めた。
「私たちもずっと戦っていて疲れたし、下がどうなっているのか気になっていたから降りたのよ。そうしたら、そこには──」