現状報告 その14
現状報告 その14
アイスプル
家族との報告会も終わった。
お陰でモチベーションも上がり、やりたいことが…………具体的には何もないが、何かやりたいなぁとぐらいには思えるように。
「──とまあ、こんな感じだな」
『あの女、いったい何者だ?』
「こっちの世界なら神様だよ」
『…………だというのに、お前の妻であるとは…………』
「おう、喧嘩なら買うぞ」
マイ、ショウ、そしてアズルの話を終えたところで、なぜか嘆息しこちらを何か言いたげに見てきた風兎を前に、俺も腕まくりをして睨む。
何だかんだ、外の世界がどうなっているのかをきちんと把握しようとしているのが風兎なのだ。
だいぶ前、俺が風兎と冒険世界の森獣に渡した連絡用のアイテム。
それを介し、近況を報告しあっていると正直に言ってくれたこともあったな。
『だがそうか……神獣様が一柱、救われたのか。それはとても喜ばしいことだ』
「神様の分類って正直分からん、いちおう聞くけど神獣と獣神って何が違うんだ?」
『……ハァ。似て非なる存在だ。神の獣である神獣は、つまり神に認められた存在だ。獣神はそんな神獣たちや獣人たちを統べる、頂点に立つお方だ』
「認められる側の存在と認める側の存在ってことか?」
まだ理解が足りないようで『まあ、今はその程度に思っておけ』と語る風兎。
こいつは『SEBAS』のことも把握しているので、俺への説明はこれで終わらせた。
『それよりも、だ。いくつか気になる話が含まれていたな……育命世界、貴様の娘はそう言っていたのだな?』
「あー、たしかそう言っていたと思うが……風兎、というか森獣とか星獣的に重要なナニカがあるのか?」
『当たり前だ。箱舟の星、そう言っても過言ではないのだからな』
「…………ちょっと待て。その話、マイに回すから──よし、頼む」
言った内容をすぐに打ち込めるよう、タイピング状態にしておいて……。
何やら重要そうな話だし、きちんと書き留めておかないと。
『育命、つまりは命を育む世界なのだ。無論それらは各星々に何らかの形で存在しているが、彼の世界はその規模が違う。貴様らの世界で例えるならば、世界そのものが自然保護区と言ってもいいだろう』
「それ、保護されちゃっている側が言っていいことなのかな?」
『傲慢にも人がそれを行うのであればともかく、彼の世界は星そのものと神々が取り仕切り行っているのだからな。人族がそれに異を唱えることなどあるまいよ』
まあうん、霊長類とか言っちゃってイキれるのは地球だけだからな俺たち。
つまり、育命世界には希少な存在が生息していると…………素材集めが捗りそうだ。