現状報告 その15
現状報告 その15
家族で話し合った現状について、風兎について話してみたところ……どうやら、育命世界に関するフラグを引いたようだ。
おそらく、森獣などの一定の格を持つ個体に育命世界について話すのが条件だったのだろう……マイもたしか、聖獣に導かれて辿り着いたとか言っていたっけ?
『育命世界はかつて、すべての命にとって揺り籠であり箱舟そのもの。森獣や聖獣、そして星獣たちを生み出す場所だった。今は少し違うのだがな』
「……それ、今と違うことで何か問題とか発生するんじゃないか? たとえばほら、そこで儀式的なことをしないと得られない力があるとかそういう感じの」
『よく分かったな……ああ、そういった定番があるのか。絶対数が少なかった過去とは違い、一定数の森獣や聖獣、上位の存在が承認すれば成ること自体はできるのだ。だが、それだけでは得られないものがある』
「ちなみに風兎は?」
『……ああ、森獣に成る際は訪れたことがある。だが、貴様も知っている通り星獣にはここで成ったからな。正しく認められたわけではない分、完全では無いだろうな』
つまり、風兎強化イベントか……。
育命世界に連れていけば、本来正しく成ることで得られるナニカが貰える……うん、一度は行ってみないとな。
「でも、今は冒険世界と……というか他の世界と繋がってないんだよな? 風兎の時はそうじゃなかったのか?」
『いや、今も繋がってはいるだろう。だが、そこを人族や人族との繋がりを持つ者たちが使うことができないだけだ。貴様の娘が見つけた転送装置は、彼らが使うための物なのだろう……実在したのだな』
「つまり、今の風兎はそっちの装置を……使う必要有るのか? 契約とかは結んでいないけれど」
『必要だろうな。間接的にとはいえ、貴様とは繋がっている。すなわち、【救星者】と星獣。これもまた、一種の繋がりに違いない。それに──これもだろう』
そう言って風兎が見せてきたのは、自らの前足に取り付けられた宝石。
そう、『プログレス』もまた野良の存在ではない証になるのだろう。
『いづれにせよ、貴様の娘を支援し育命世界の問題を解決するのが先だな。また、すぐに行くのも止めた方が良かろう。機を見て、流行りでは無くなった頃にこっそりと行くのがベストだ』
「……本当、詳しくなったよなお前」
『…………そんなことはない』
地球のアイドルにハマり、それ以外にも創作物になども手を出していた風兎。
休人には、マンガを描いて売り捌くヤツなどもいたからな。
娯楽に買ってはいるが、魔物たちが読むに適した物なのかを確認している風兎。
お陰でサブカルにもだいぶ詳しくなっている……説明が楽になるからいいけどさ。