職業プログレス 中篇
職業プログレス 中篇
職業システムに適した『プログレス』、その片割れについて説明を受けた。
どうやら、無数の職を習熟させることで、限りなく万能に近づく能力のようだ。
「それじゃあ、二つ目を頼む」
《畏まりました。二つ目は『ジョブレスジョブ』、こちらは『オンリーゼネラル』とは異なり対象となる職業にいっさいの制限がございません。条件を満たした職業の能力を、限界の範囲内で取り込むことができます》
「……それだけ聞くと凄いな。こっちは極級職も取り入れられるわけだし。けどまあ、何かしら条件があるわけだ」
《はい。こちらは旦那様では使うことのできない『プログレス』です。なぜなら、前提となる条件として──いっさいの職業に就いていないこと、これが含まれておりますので》
あーうん、絶対無理。
やり方次第では、【救星者】から離職することはできなくもない…………が、それをするだけのメリットが存在しないからな。
もちろん、未来永劫【救星者】で居られるかは分からないので、そんなもしもみたいな状況を考慮して行動し続けるつもりだが……そういえば、対象になるのか?
《なお、旦那様の【救星者】や【冒険勇者】などの特級職も対象ではございます。しかし現状ではまったくリソースが足らず、不可能となっております》
「今後に期待ってところか……マスターぐらいならできるんだろうけど。まだまだ、そこまでいかないからな」
ちなみにだが、『プログレス』の成長段階は大きく分けて11の段階の仕様である。
初期が0、そしてマスターが10、間を1から3、4から6、7から9で分けた。
幅がある方を職業と合わせ──下・中・上級で分けているのが位階となっている。
これは『プログレス』の[ヘルプ]機能にも書いてあるので、休人・原人共通認識だ。
閑話休題 ついかじこう
当然ながら、数字が大きい方がより強大な力を行使できる(一部例外在り)。
日々の研鑽の中で、『プログレス』を成長させることで出来ることも増えるだろう。
俺は使えないが『ジョブレスジョブ』の発現者も、そうやって成長していくはずだ。
…………職業システムが一切使えない、その縛りさえ考えなければ。
「なあ、その発現者さん多少成長しているんだよな? いったいどうやって……」
《発現者は『プログレス』普及前からの休人で、ある程度職業を収めてからしばらくの間[ログイン]をしておりませんでした。ですが『プログレス』を知り再び始めており、ある程度の経験があるようです》
「種族レベルもある程度あるわけだ。なら始まりの街付近で瞬殺、ってことは無いのか」
《はい。加えて、『ジョブレスジョブ』の前提条件の関係上、超・極・特級職以外の職業のレベルはすべてリセットされましたが、それでも消耗品や装備を駆使することで対処していたようです》
「…………うん、普通に凄いな」
初期状態でも見習い職をいくつか、あるいは下級職を一つぐらいはできたとのこと。
今後の活躍にこうご期待……って、結局俺はどうすればいいのだろうか?