第一回職業解放前篇 その12
第一回職業解放前篇 その12
自爆特攻をしそうになったので、こちらもそれを阻止するべく妨害する。
極秘奥義、『KAMIKAZE』をマジでやるような攻撃は俺も嫌なのだ。
「“かm──」
「させません、と言ったでしょう? 妨害であれば簡単です──“ネガティブハンド”」
「ッ、状態異常。操縦支援起動」
「ええ、そちらは理解しております。ですが怯みましたね? 機体の補助、【神風兵】の遂行能力、何よりアンデッドとしての体があろうとも、対処できないことがありますよ」
攻撃用『プログレス:ゴーストボディ』。
物理能力無効を秘めた『プログレス』なのだが、それそのものは相手がアンデッドの体なので意味を成さない。
今回使った“ネガティブハンド”は、そこから派生して発現した能力。
触れた相手に状態場をもたらすというもので、中には即死なども含まれる。
……まあ、そちらもすでに死んでいる相手には意味が無いけれど。
重要なのはそちらではなく、より発症しやすい麻痺や硬直などの状態異常。
体の動きを抑制し、極秘奥義を強制的に中断させる。
発動の宣誓、武技や術式と違い職業能力は基本的にそれが必須だからな。
《旦那様、準備が整いました》
「沈黙が狙えれば良いのですが、そちらは難しいでしょうね。さて、そろそろ終わりにしましょうか──選択、右腕。再『インストール:デッドタナトス』」
報告を受け、解析に消費していた枠を使い『プログレス:デッドタナトス』を起動。
装備していた『ビームブレード』を収納、代わりに顕現した大鎌を握り締める。
「! 危険を感知」
「──“ソウルハント”。魂を鹵獲する鎌です。さぁ、どんどんいきましょうか。選択、炉心──再『インストール:コレクトキャプチャー』」
忘れてはいけない、これは【大死導者】との戦いであり【神風兵】はその先兵なのだ。
つまり、ただ【神風兵】に勝利したところで【大死導者】は第二第三の強者を使う。
だからこそ、俺が狙うべきなのは無益であることの証明。
そのための犠牲に、俺も【大死導者】も少女の姿をした【神風兵】を使ったわけだ。
「神かz」
「そうはさせ……っ!」
《旦那様!》
再び極秘奥義を使う、そう判断して動こうとした──だがそれはブラフ。
すぐに『SEBAS』は気づいたが、自動で機体を動かしてもらうよりも先に動いた。
エンジンを全力で噴かせ移動、俺たちが動きを予測していることを予測しているのか、無駄に入り組んだ機動をせず、ストレートに遠ざかるため追いつけない。
「極秘奥義──“神風吹き荒ぶ”起動」
ゆえにそれは宣誓された。
噴き出していた魔力の粒子、その出力が急激に上昇する──動揺でふと瞬きをしたそのコンマ数秒、【神風兵】が目の前に。