第一回職業解放後篇 その09
第一回職業解放後篇 その09
≪いったいどれだけ隠しているんだ! 今度は巨人サイズのハンマーを振り下ろし、たった一撃ですべてを壊した! 逆にいったい、何ができないんだ挑戦者は!?≫
重力操作と質量増加、それを施した特大のハンマーで第二陣を一掃した。
続く第三陣、ここで俺は突破と同時に次の階層へ向かう予定だ。
《──旦那様、報告が。旦那様の活躍が、あちら側に伝わったようです》
「……これまでは、見ていなかったと?」
《報告を受けていた、あるいはこれまでの挑戦者と同じようなもの、といった認識だったのかもしれません。ですが、『生者』──すなわち『超越者』だった、星敵であることも今では認識されているでしょう》
なるほど、となるとこの後の展開は──
≪おーっと、ここで我らがキャプテンからのプレゼントだ! ここでいい結果を出せば、挑戦者も我々もみんなハッピー! さぁ、それでは皆さん、ご投票をどうぞ!≫
キャプテン、つまり【大船長】からの介入が行われる。
何やら再び賭けが始まり、俺も観客たちもナニカさせられるようだ。
まあ、俺の場合は確実にこの迷宮脱出に関わる何かなんだろうけど。
だが観客が選ぶものとはいったい……と、『SEBAS』がその答えを教えてくれる。
《……どうやら、第三陣として出現させる存在を選んでいるようです》
「魔物、でも魔獣でもなく、存在ですか……人も、含まれているのですか?」
《はい。【大船長】の配下や乗船している強者、魔物や魔獣でも強力な個体など、選択肢の中から観客たちが選んでおります》
「……今の内に、次の階層へ向かうというのはどうでしょう?」
《単純に、次の階層で同様のことが行われるだけかと》
うん、つまり逃げる意味は無いと。
ちなみに、先んじて行われていた賭けも、突破できるかできないかに変更され、全額ではないが払い戻しが発生するようだ。
代わりにその分は、これから出てくる人物への報酬や魔物や魔獣を召喚する触媒代として用いられるとのこと……いろいろと考えているらしい。
「ちなみに、俺の情報は?」
《開示されておりません。【大船長】のみが迷宮の機構によってすべてを、あとは断片的な情報を各々集めるのみです》
星敵ということがバレると、誰も彼もが俺の抹殺に動きかねない。
世界からの報酬、貰えるかは分からずとも挑んで損は無い……それが虚弱な俺なのだ。
「ふぅ……これ、突破できればそのまま会うこともできますかね?」
《過去に行われた同様の催しは、誰も成功しておりませんので……ですが、把握出来得る限りの情報からは、ほぼ間違いなく可能と言える結果が出ております》
「ならば良し。お望みの通り、盛大に演じてみせましょうか!」
はっきり言って、死んでも死なない状況ならば俺に勝ちは無くとも負けも無いわけで。
延々とやり続けるだけで、最終的に突破はできる……粘ってみるとしますか。