第一回職業解放後篇 その13
第一回職業解放後篇 その13
核融合魔法。
禁書に記されたその魔法を、『タブースペルズ』で引っ張り出して発動。
……改めて、この使い手がどこかで誰かに狙われないことを切に祈る。
使い方次第じゃ、ロクでもないことができる『プログレス』はいくらでもあるからな。
「結果は上々ですね……『騎士王』ですら一度目の放射線にはダメージを受けていたわけですし。ええ、一度切りの鬼札といったところでしょうか」
なお、放射線の被曝による悪影響は、普通のポーションでは治らない。
俺が本気で作るレベルの代物か、あくまでそれに合わせた仕様にする必要がある。
今回は迷宮中を被曝させたが、その除去は迷宮任せにできるからこその選択だ。
また、同時にここでの死を迷宮の機構でどうにかしてくれることも分かっているから。
「これで全員ですね……ええ、一人でも残して保険やら最後のチャンスやら、いろいろとやられるのは困りますので」
俺もまた、被曝しているがその影響は死に戻りによって即座にリセット。
一度死んだあとは結界で体を保護、中に引き籠もることで身の安全を確保する。
「──さて、いかがでしょうか。これ以上、まだ私に何か求めますか?」
≪────≫
アナウンスは口を開かない。
いや、会場は大荒れでそちらをどうにかするので忙しいといったところか。
俺の独り勝ち、という結果で喜ぶ者や嘆く者がそこら中に溢れている。
ドローンの映像を見てどうしたものかと考えていると、迷宮のどこからか声が。
≪いーや、もう充分だ≫
「……貴方は?」
≪おっと、こりゃあいけねぇ。名乗るのを忘れてたな。俺こそが、この世界の海を股に掛けるこの船の主にして【大船長】様だ!≫
若い、好青年と思える溌剌とした声。
元より、いろいろとやっている人物だとは事前の情報にもあったのだが、年齢はそれなりのはず……。
≪話を戻すぞ。とりあえず、その階段の先に転送陣を繋いでおいた。そこから俺の居る場所まですぐに行けるぞ≫
「……少し、寄り道をしても?」
≪理由は?≫
「神代魔道具であり迷宮でもある、こんな素敵な場所ですし、宝箱の方にも興味がありまして……」
≪あー、ポイント用のコインぐらいだぞ。あとは普通に迷宮攻略用に武器や食料、あとはポーション。何にも面白くないぞ≫
「──あっ、すぐにそちらへ向かいます」
うん、別に興味無かったな。
この船の迷宮核自体なら俄然触れたくはあるが、この船で一、二を争うレベルで重要な品だろうしそちらは諦める。
階段を登り次の階層へ向かうと、言われた通りすぐそこに転送陣が置かれていた。
即座に『SEBAS』が解析し、問題が無いことを確認してから──そこへ踏み乗る。